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第10回学長講演会「グローバル社会における日本の存在感向上のために」を開催

掲載日:2017.11.13

山形大学の使命「地域創生」「次世代形成」「多文化共生」を学内外に発信するため、山形大学ではシリーズで学長特別講演会を行っています。11月6日、第10回講演会を小白川キャンパスで開催し、講師にグレン・S・フクシマ氏(米国先端政策研究所上級研究員)を迎え、「グローバル社会における日本の存在感向上のために」をテーマに講演いただきました。

フクシマ氏は、スタンフォード大学、ハーバード大学大学院、慶應義塾大学、東京大学で学び、米国大統領府通商代表部日本担当部長(1985-88)、米国通商代表補代理(199-90)などを歴任。1990年から2012年にはアジアを拠点に欧米の多国籍企業の経営者として活躍し、在日米国商工会議所会頭を2期務められました。現在は、ワシントンDCのシンクタンクである米国先端政策研究所上級研究員として活躍されています。

講演会では、多様な経験をふまえ、欧米からの視点で国際社会における日本の現状について言及。日本のものづくりにおける技術力やサービスの質の高さ、また日本独自の文化に対する国際的な評価の高さにふれました。その一方で、国内経済低迷や日本人の"内向き傾向"によって、国際社会での存在感が低下している点を指摘。グローバル社会の中で競争力が増すなか、日本が存在感を取り戻すためには、世界に通用する人材や組織を創り出す「教育」が最も重要であると述べました。

鍵としてあげた「教育」について、「知識の習得も重要だが、How to Think(考え方)を身につけることが必要で、それを教えるのが大学などの教育機関の役割」とコメント。Logical thinking<論理的>,Critical thinking<抜本的>,Analytical thinking<分析的>,Strategic thinking<戦略的>,Comparative thinking<比較的> の考え方を紹介し、特に比較の観点から、日米の企業や政権における違いを例に挙げました。

講演の結びには、海外での経験や学びの重要性について、参加者にメッセージを送ったフクシマ氏。上述のスキルに加え、コミュニケーション力や語学力など、グローバル人材に求められる能力を磨くためには、インターネットや本からは得られない、肌で直接感じる海外経験が求められています。日本の今とそれぞれの役割を見つめ直す有意義な時間となりました。

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