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学生の皆さんへ:ワクチンを接種しましょう!

掲載日:2021.06.11

 医学部附属病院の森兼です。テレビを見る人は、一度は私を地元のニュースで見たことがあるかと思います。今日は、ワクチン接種に関する皆さんへのメッセージをお伝えします。

 コロナが世界中で流行しはじめて1年半が過ぎました。マスクをいつも着用し、授業もオンラインばかりになり、友達とも遊べず飲み会もできず、もううんざり、という人も多いと思います。私も同じです。

 コロナウイルスは非常に手強い相手であり、感染しても無症状の人が更に別の人を感染させるという非常にたちの悪いものです。コロナの流行を小さくして元に近い生活を取り戻す唯一の方法は、多くの人がワクチンを接種して集団で免疫を獲得することです。幸い、コロナにかかる可能性をおよそ20分の1に下げることができる、いくつかのワクチンが開発されました。

 残念ながら日本は、ワクチン争奪戦に完全に出遅れました。先進国の中では決して早い方ではなく、ようやく医療従事者と高齢者への接種完了が見えてきました。今すぐにでも打ちたいという人は全国に沢山いますが、基本、年齢順ですので、若い皆さんにはなかなか廻ってきません。

 そんな中、皆さんにもワクチンをうつ順番が回ってくる、これが今回の「職域接種」です。大学を職場とみなし、教職員だけでなく学生の皆さんも同時並行で接種ができます。ワクチンを打ちたいと思ってた人にとっては、とてつもない朗報だと思います。

 一方で、ワクチンを接種することに対する不安や抵抗を感じている人もいると思います。無理もありません。ウイルスの設計図に相当するメッセンジャーRNAを主成分とするワクチンは、ヒトに使われるのが今回ほぼ初めてのことです。どのように作用してどう効くのかという点は、科学的に明らかになっていますが、私自身も最初は不安でした。

 しかし、コロナワクチンは世界中で既に10億人以上に接種され、その安全性は確立していると言ってよいでしょう。ごくまれに、元々の持病と関連して重大な合併症が起こることがありますが、接種前の問診(医師による面談)によってその可能性がありそうな人は接種にストップがかかるシステムになっています。

 また、注射ですから接種する時に多少の痛みはあります。しかしそれは、インフルエンザワクチンをはじめ他のワクチンよりはるかに小さいです。一点だけ気をつけたいのは、このワクチンは間隔を空けて2回接種することが必要であり、2回めの接種の翌日はズキズキと痛みますし、だるさもおそらく出てきます。しかしそれも、痛み止めで十分抑えられる程度のものです。

 痛いし、しんどくなるんだったら、そこまでしてコロナを予防しなきゃならないの?というあなた。コロナにかかるとどうなるかをよく知っているでしょうか?確かに若い人たちは軽症で済みます。日本では20歳代の人がこれまで16万人ほど感染していて、ほとんどが軽症者です。とはいっても、今でも2000人以上の20歳代の人が入院中ですし、これまでに20歳代で7人が亡くなっています。そして、治って退院しても、味覚障害(食事を食べても味がわからない)や体のだるさなどの後遺症に苦しむ人はたくさんいます。コロナは決して、軽く考えて良い病気ではないのです。

 ワクチンの接種は、自分が感染しなくて済むだけのものではありません。自分が感染しなければ、周囲の人を感染させることもありません。また、体質などの関係で打ちたくても打てない人もいます。そういう人のことまで思いを巡らせ、今回の職域接種でのワクチン接種を、どうぞ受けて下さい。

 2021年6月11日
山形大学医学部附属病院 検査部長・感染制御部長 森兼啓太

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