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定年をむかえて思うこと   長谷川 政裕

掲載日:2016.03.07

 雪国米沢での暮らしは、学生時代を含めると46年、およそ半世紀近くになります。卒業と共に助手に採用されて以来、粉まみれの43年間でしたが、何とか楽しく無事に教員生活を送ることができ、ここに定年を迎えることとなりました。この間ご指導いただいた先生方や苦楽を共にした学生達、支えていただいた教職員の皆様には心より感謝を申し上げます。
 この半世紀の間に工学部も米沢市も日本も大きく変わりました。日々の生活は半世紀前と比べ格段に豊かにそして便利になり、一人ひとりの行動範囲は大きく広がり、持てる情報量は膨大なものになりました。まさに技術革新のお陰です。また、時代の流れに合わせるということで大学の教育内容や方法も徐々に変化してきました。それに伴い我々の職場環境も様変わりしました。提出書類の多さ、教育・研究以外に大学に関わる時間の増加、さらには入学してくる学生の気質までもが変わりました。体格はずいぶん向上しましたが、その反面精神面が脆く壊れやすい学生が増えたように思います。
 日本全体がここ半世紀の間に大きな技術革新の波に流される一方で、精神的なゆとりを忘れてしまったように思われてなりません。このような時代だからこそ、一度立ち止まる「ゆとり」を持ちたいものですが、「ゆとり」は与えたり与えられたりするものではなく、自ら見出す「ゆとり」です。

1998年10月吾妻祭の一コマ(そば振る舞いをしました) の画像
1998年10月吾妻祭の一コマ(そば振る舞いをしました)

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