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山形大学を去るにあたって   元木 幸一

掲載日:2016.03.02

 山形大学に赴任した時は教養部だったが、印象的だったのは、今は亡き宍戸先生と人文学部で美術史を学ぶ学生たちが企画してくれた「コンパ小屋」(学生ホール)での歓迎会だった。石油ストーブを持ち寄り、一つには大きな薬缶に日本酒、もう一つには大きな鍋におでんが山盛りに入っていた。サラダボールにあふれんばかりの手作りポテトサラダもあった。酒好きな私でもこれはえらいところに来たものだと思った。かなり酔ってくると、いつの間にやら手拍子が鳴りだし、それに合わせて後にプロの舞踏家になった浅井さんが足を頭上高くに振り上げながら、畳の上で踊りだす。見ているうちに酔いは増し、旧制高校時代のぼろ屋は、まるで薄暗いあやしげな場所へと変貌した。
 要するに私の山大生活はコンパからなっているようなものだった。34回の追いコンで送り出した学生たちに、よくもまあこの飲兵衛教師につきあってくれたもんだと感謝で一杯。そして35回目の追いコンは自分のためというわけだ。

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