ホーム > 新着情報:お知らせ > 2023年04月 > 高橋産業経済研究財団助成金に採択(4/27)

高橋産業経済研究財団助成金に採択(4/27)

掲載日:2023.04.28

本件のポイント

  • 医学部歯科口腔・形成外科学講座の石川恵生講師が令和5年度高橋産業経済研究財団助成金に採択。
  • 高橋産業経済研究財団は、わが国の経済社会の発展と国民生活の向上に寄与する研究プロジェクトに助成援助をおこなっており、石川講師の研究内容が評価され、選抜された。
  • 口腔がんは希少がんに分類されるため、現在の主流ともいえる多くの画像を用いた深層学習による画像判別には適さないとされていたが、研究チームの有する「少数データから高精度の判別を行う人工知能技術」を用いて、口腔がんの画像判別精度を極限まで向上させることができる。

研究概要

 口腔がんは口の中にできるがんの総称である。特に早期の口腔がんは、口内炎などの良性病変と類似しており、鑑別が困難であることから、基幹病院への紹介が遅れることも少なくない。石川講師を中心とする研究チームはこれまで、口腔がんを早期発見するために、蛍光観察型の口腔粘膜評価デバイスと判別アルゴリズムの開発を行ってきた。本研究では、「健常」と「健常以外」の2分類の判別しかできないために、偽陽性患者を大量に生み出し、実質的な口腔がんの早期発見に寄与できていない既存の判別技術を、研究チームが有する「少数データから高精度の判別を行う特許技術」を用いて、悪性病変(がん)、良性病変、健常の高精度な3分類判別に発展させ、99.9%以上の口腔粘膜判別能を有する口腔粘膜評価デバイスの開発を目的とする。

今後の展望

 本研究で開発を目指すデバイスは、将来的にはかかりつけ歯科などの一次医療機関での使用を見据えている。そのため、本研究によりこれまでの「健常」と「健常以外」の2分類判別を、高精度な「健常」、「良性」、「悪性」の高精度3分類判別に発展させることができれば、診断が困難なことが多い初期の口腔がんを遅滞なく基幹病院へ紹介することができる。また、いわゆる口内炎や咬傷等といったかかりつけ歯科での対応が望ましい「良性」疾患が、基幹病院に紹介されてくることを激減させることができる。さらに、早期発見による口腔がんの死亡率を低下させるだけでなく、増加する医療費の抑制に寄与できる研究への発展が期待されている。

本研究における判別モデルの画像
本研究における判別モデル

関連リンク

歯科口腔・形成外科学講座 石川 恵生講師の画像
歯科口腔・形成外科学講座 石川 恵生講師

  • シェア
  • 送る

お知らせ一覧へ