ホーム > 新着情報:お知らせ > 2024年11月 > ベトナム・ダナン市で魚醤に関する国際セミナーを開催
掲載日:2024.11.18
2024年11月12日、山形大学の研究拠点「塩と魚の食文化研究拠点」(代表:白石哲也准教授)の研究交流活動の一環として、ベトナム・ダナン市のダナンバイオテクノロジーセンターと共同で魚醤に関する国際セミナーを開催しました。日本からは山形大学および山形県水産試験場のメンバーが、ベトナムからはダナンバイオテクノロジーセンター、ナムオー伝統魚醤村協会、ダナン工業教育大学などの関係者が参加しました。
セミナーの概要
セミナーは、「伝統的な発酵魚醤 ベトナム-日本:文化遺産から技術革新と市場開発の機会へ」というテーマで行われました。
司会はダナンバイオテクノロジーセンターのファム・チャウ・フイン博士が務め、山形大学からは白石哲也准教授、松本剛教授、奥野貴士教授、山形県水産試験場からは高木牧子氏と五十嵐悠氏が出席し、日本の伝統的な魚醤や山形県の水産業に関する研究成果を共有しました。
また、ダナンのナムオー魚醤村からは、ビン・ミン魚醤協同組合のグエン・ヴィエット・ズン社長(ナムオー伝統魚醤村協会副会長)、フーン・ランコ魚醤製造施設のブイ・タイン・フー社長(同協会常務副会長)が参加しました。さらに、ダナン工業教育大学のグエン・シー・トアン博士とチャン・ティ・フ博士、ダナンバイオテクノロジーセンターの研究者たちも出席しました。
セミナーの内容
開会の挨拶では、ダナンバイオテクノロジーセンターの応用科学部門のグエン・クエット博士が、センターの科学技術研究における成果や、将来の研究開発(R&D)拠点としての発展ビジョンを紹介しました。
ファム・チャウ・フイン博士のプレゼンテーション「文化遺産から現代の革新へ:魚醤の旅」では、特にダナンのナムオー魚醤村に焦点を当て、ベトナム魚醤の歴史と文化的価値が語られました。魚醤がベトナムの食文化遺産であると同時に、技術革新と国際市場への進出に向けた可能性を秘めた製品であることが強調されました。
日本側からの研究発表
日本側を代表して白石哲也准教授が、日本の伝統的な魚醤に関する最新の研究成果を発表しました。また、両国の魚醤産業における課題を解決するため、情報交換と研究協力の重要性を述べ、分析技術や研究手法の共有による協力拡大への期待を表明しました。続いて山形県水産試験場の高木牧子氏が、山形県の水産業の現状や、伝統的な魚醤製品の開発に関する知見を紹介しました。
今後の展望
セミナーでは、研究や新技術の応用を通じて、魚醤製品の品質向上を図るとともに、魚醤の文化的価値の保存と促進を進めるための具体的な協力について議論が行われました。参加者は、今後も国際セミナーや会議を通じて長期的かつ持続可能な協力関係を築いていくことに合意しました。
このセミナーが、ベトナムと日本の間での深い協力を促進し、両国の伝統的な魚醤が国際市場でより高い文化的・経済的価値を持つことへの第一歩となることが期待されます。