ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2018年04月 > オルガネラ間相互作用の可視化に成功 ~細胞内構造のこれまでの概念を一新~
掲載日:2018.04.18
京 都 産 業 大 学
山 形 大 学
私たちの体を構成する細胞の中には、オルガネラと呼ばれる脂質の膜で囲まれた細胞小器官が発達しています。オルガネラは膜内に特定の酵素群を隔離、濃縮することで独自の機能を効率よく安定的に発揮するので、互いに混ざり合わないように、独立して存在するとこれまで考えられてきました。しかしながら最近の研究により、オルガネラ同士が結合し、物質をやり取りしながら機能する可能性が指摘され始めました。
山形大学(学長:小山清人)の田村康准教授、京都産業大学(学長:大城光正)の遠藤斗志也教授らの研究グループは、スプリットGFPと呼ばれる分断された蛍光タンパク質を利用することで、複数の異種オルガネラ間の相互作用部位(コンタクトサイト)を、生きた細胞内で可視化することに世界で初めて成功しました。現在オルガネラ間の結合因子は、ほとんど実態がわかっていません。この実験系の確立により、その因子の解明が進むと期待されます。またオルガネラ間相互作用の生理的意義(役割)の解明や、オルガネラ間の相互作用異常が報告されている神経変性疾患の病態解明への応用が期待されます。
本研究の成果は、2018年4月18日付「Scientific Reports」誌にオンライン掲載されます。
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