ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2020年04月 > 飢餓によってメスがオスになる?!! ~ 性と代謝・脂質の仕組みの新たな関係を発見 ~
掲載日:2020.04.07
名 古 屋 大 学
山 形 大 学
本件ポイント
概要
名古屋大学大学院理学研究科の 田中 実 教授、榮 雄大 技術補佐員の研究グループは、慶應義塾大学 末松 誠教授 杉浦 悠毅 講師、山形大学 及川 彰 准教授、昭和大学 三田 雅敏 客員教授、大阪大学 中村 修平 准教授との共同研究より、メダカをもちいて代謝の変化が性決定に影響することを見出しました。また、その影響は脂肪の合成というメカニズムを介することを明らかにしました。
哺乳類もメダカもY染色体を持っていると身体はオスになります。これらの動物では、性を決める遺伝子が働いた後、一定の期間を経て身体がメスあるいはオスになります。この期間にメダカの稚魚を飢餓状態にすると、Y染色体を持たないにもかかわらず、本来メスのメダカの20%が精子を作ることができるオスになることがわかりました。この原因を探ったところ、代謝注2)が変わることや脂肪が不足することと関係することも判明しました。
代謝や脂質注)3が性を決める過程に重要な働きを持つことがわかったことにより、動物が性を決める仕組みへの理解がより一層深まると期待されます。
この研究成果は、令和2年4月3日付(日本時間0時)英国電子科学雑誌「Biology Open」に掲載されました。
また、この研究は文部科学省 科学研究費助成事業 新学術領域研究「性スペクトラム」(17H06430)、基盤研究A(16H02514)並びに、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」の支援のもとで行われたものです。
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