ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2020年11月 > マルハナバチの分布縮小・拡大の推定-市民参加による花まるマルハナバチ国勢調査の成果-
掲載日:2020.11.13
東北大学大学院生命科学研究科
山 形 大 学
本件ポイント
概要
▲図1:マルハナバチの1種のヒメマルハナバチ(撮影 峯村和夫)
マルハナバチ類(図1)は、野生植物や農作物の受粉において重要な昆虫(送粉者)ですが、世界的に減少傾向にあり、ヨーロッパや北アメリカで分布の縮小が報告されています。日本ではマルハナバチ類の過去と現在の分布データが少なく、分布変化の推定が難しいという問題がありました。東北大学大学院生命科学研究科の大野ゆかり助教(研究当時:学振特別研究員)らのグループは、山形大学学術研究院の横山潤教授とともに、写真を用いた市民参加型調査「花まるマルハナバチ国勢調査」により収集された分布データを使用して、分布と環境要因の関係から、現在と過去の分布を推定しました。その結果、日本の主要なマルハナバチ6種(トラマルハナバチ・コマルハナバチ・オオマルハナバチ・クロマルハナバチ・ミヤママルハナバチ・ヒメマルハナバチ)の分布変化の推定に成功しました。約26年間で、6種のうちコマルハナバチを除く5種が、主に気温上昇により分布縮小し、トラマルハナバチは局地的な森林面積の増加でも分布縮小していると推定されました。本研究結果は、11月12日にScientific Reports誌(電子版)に掲載されました。
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