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山形大学の環境技術を世界に発信します! ~WIPO GREENパートナーに認定~

掲載日:2021.06.03

本件のポイント

  • 山形大学は、昨年の「YU empowering with SDGs(※1)」宣言により、社会の持続可能な発展に向けた地域の取組を積極的にempower!しています。
  • このたび、国連の世界知的所有権機関(WIPO)が運営する「WIPO GREEN(※2)」のパートナーとして認定されました。
  • 今回の認定を受け、本学の水素製造技術を「WIPO GREENデータベース(※3)」に登録しました。今後、本学の環境技術を世界に発信し、技術移転をempower!します。

概要

 山形大学は2021年4月20日、国連の世界知的所有権機関(WIPO)が運営する、環境技術の活用を促進するためのプラットフォームであるWIPO GREENに、パートナーとして認定されました。WIPO GREENには、各国の知的財産関連機関や、トヨタ自動車(株)、(株)リコー、本学発祥の帝人(株)など我が国を代表する企業がパートナーとして参画しており、各自が保有する環境技術を発信しています。日本からのWIPO GREENパートナー参加は、30機関・団体で世界一であり(2021年5月時点)、大学・研究所では本学の認定が国内で4機関目になります(国立大学では2機関目)。
 なお、今回のパートナー認定を受け、WIPO GREENデータベースに本学の水素製造技術を登録しました。山形大学では、今回の認定を契機として、本学の環境技術を世界に発信し、技術移転をempower!するとともに、世界の環境技術の普及に貢献してまいります。

詳しくはこちら(プレスリリース)及び発表資料をご覧ください。

登録技術(水素製造技術)について

 WIPO GREENデータベースに掲載する環境技術の第一弾として、本学学術研究院(大学院理工学研究科主担当)有馬ボシールアハンマド准教授の「有機分子・CdSナノコンポジットを用いた水分解による水素製造技術」を登録しました。ヒスチジン等の有機分子とCdS光触媒とのナノコンポジットを合成し、このナノコンポジットを用いて水分解による水素製造実験を行った結果、通常のCdSに比べて水素生成量が約22倍に増加し(下図)、安定性も向上しました。
 本技術の「有機分子・CdSナノコンポジット」は、安定性に優れるため再利用も可能であり、水素を効率的に製造することで脱炭素社会の実現に貢献するものです。
 WIPO GREENデータベース内の本技術の掲載ページはこちらです。

今後の展望

 上記の水素製造技術を皮切りに、本学の保有する多くの優れた環境技術のWIPO GREENデータベースへの登録を進め、世界の環境技術分野における本学の存在感を高めていきたいと考えています。登録技術に対する問い合わせや要望には積極的に応え、地域や途上国への技術移転を図ってまいります。
 また、本学のYU-SDGsタスクフォースとオープンイノベーション推進本部とが連携することにより、本学における学生活動も含めたSDGsに関する全活動をさらに促進するとともに、登録技術を核とする企業との組織的な共同研究・共同開発プロジェクトを創出していきます。

用語解説

1. YU empowering with SDGs
 総合大学である山形大学が、研究や教育活動、学生サークル活動等により地域のSDGsを積極的に支援していく事業の総称。「力づける、力を与える」という意味のempower!をキーワードに、地域社会の発展のために全学をあげてSDGs推進活動に取り組んでいます。

2. WIPO GREEN
 国連の世界知的所有機関(WIPO)が運営する、環境技術の技術移転を促進するためのグローバルプラットフォーム。環境技術の提供者と、環境技術を必要とする者とを引き合わせる場を提供しています。2013年のWIPO GREENの設立には日本の産業界が深く関与し、SDGsの認知度向上とともに2019年頃から急速に規模を拡大させています。希望する企業・大学・機関・団体等は、無料で参加が可能です。

3. WIPO GREENデータベース
 プロトタイプからライセンス、コラボレーション、合弁事業、市場性のある製品に繋げる様々なテクノロジーを提供しています。また、データベースには、特定の環境問題または気候変動問題に対処するテクノロジーを模索している企業、機関、非政府組織のニーズ一覧も掲載されています。

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