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戦略的国際共同研究プログラム(SICORP) 【日本-ヴィシェグラード4か国(V4)共同研究】に採択 ~5か国間の国際共同連携を通じてペロブスカイト量子ドット型X線検出器の開発~

掲載日:2021.11.04

本件のポイント

  • 日本側の山形大学とヴィシェグラード4か国 (チェコ・ポーランド・ハンガリー・スロバキア) の研究機関の共同提案が科学技術振興機 (JST) による国際共同研究プログラム (SICORP) に採択。
  • 山形大学 (日本)、J.ヘイロフスキー物理化学研究所 (チェコ)、ポーランド科学アカデミー (ポーランド)、セゲド大学 (ハンガリー)、スロバキア科学アカデミー (スロバキア)の5か国間の共同提案。
  • 期間は、2021年11月からの3年間。山形大学では、3年間で総額1800万を上限とした委託研究費を活用して研究開発を実施する。ペロブスカイト量子ドットの新領域への展開として、X線検出器への応用を目指す。

概要

 科学技術振興機構(JST)戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)「日本-ヴィシェグラード4か国(V4)共同研究」(先端材料)の新規課題として、日本側の山形大学とヴィシェグラード4か国による共同提案内容が採択されました(42件の提案から5件が採択)。これまで実施してきたJSTのSイノベ(戦略的イノベーション創出推進プログラム)、COI(センターオブイノベーションプログラム)の塗布印刷プロセスに関する研究成果を応用します。
 研究期間は2021年11月から2024年10月までの3年間を予定しており、参画機関は山形大学(日本)、J.ヘイロフスキー物理化学研究所(チェコ)、ポーランド科学アカデミー(ポーランド)、セゲ大学(ハンガリー)、スロバキア科学アカデミー(スロバキア)の5機関です。日本側の委託研究費は、JSTが3年間の総額で1800万円を上限として支援し、V4側はそれぞれ各国の参加支援機関および国際ヴィシェグラード基金が支援します。
 今回の研究提案内容は「ペロブスカイト量子ドットに端を発する広帯域X線検出器の創生」です。日本側の山形大学はペロブスカイト量子ドットの表面修飾技術を基盤とした高密度集積化とX線検出器の開発を担当します。ペロブスカイト量子ドットの合成・物性解析・成膜技術・デバイス開発の知識と経験を共有化するプラットフォームを構築します。5ヶ国間の技術を集約すること、従来よりも被爆量や人体へのリスクの低減を可能とした低コスト・高感度なX線検出器の実現が期待されています。
 本研究提案は、ペロブスカイト量子ドットを利用したX線検出器を開発することで、低線量化により人体への被爆リスクの低減と低コスト化に挑戦します。日本側として研究代表者の千葉貴之助教(山形大学大学院有機材料システム研究科担当)を中心に、連携研究員として増原陽人教授(山形大学大学院理工学研究科担当)と城戸淳二教授(山形大学有機材料システムフロンティアセンター長)の力を集結し研究開発を推進します。

プレスリリース資料はこちら

【参考】
1.JST 戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)について:
ホームページ:https://www.jst.go.jp/inter/program/multilateral/v4.html
採択結果に関するJSTホームページ:https://www.jst.go.jp/pr/info/info1527/index.html
2.ヴィシェグラード4か国: チェコ、ポーランド、ハンガリー、スロバキア
3.ペロブスカイト量子ドット:ペロブスカイト構造CsPbX3(X=Cl, Br, I)を有する10 nm程度のナノ結晶。
4.X線検出器:X線を吸収することで、発光や光電流が利用可能なデバイス。

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