ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2021年11月 > 学長定例記者会見を開催しました(11/4) > 医療用フェイスシールド付き高演色LEDヘッドランプを開発 ~学内連携による医療用途への応用に期待~

医療用フェイスシールド付き高演色LEDヘッドランプを開発 ~学内連携による医療用途への応用に期待~

掲載日:2021.11.04

本件のポイント

  • 山形大学センター・オブ・イノベーション(COI)プロジェクトの一環として、コロナ禍における診察用ヘッドランプを医工連携で共同開発した。
  • 医療用に使用するためランプは軽量かつ演色評価数(※1)が94の高演色LEDを用い、フェイスシールドを装備することによりウイルスなどへの曝露を防ぐ構造とした。
  • 山形大学発ベンチャーであるオーガニックライティング(株)より製品化を進める。

概要

 山形大学では、センター・オブ・イノベーション(COI)プロジェクト(※2)(実施期間:2013年度から2021年度、支援機関:科学技術振興機構(JST)、文部科学省)において、未来の快適で健康な生活や社会の創造を目指した研究開発や有機エレクトロニクス技術の社会実装を進めています。その一環として、照明用有機ELパネルの医療用途への応用を目指して、赤ちゃん用や睡眠用の有機EL照明器具、そしてリモート診察システムなどを開発してきました。
 今回、医工連携として、本学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座の欠畑誠治教授(耳鼻咽喉・頭頸部外科学)と有機材料システムフロンティアセンターの城戸淳二教授らの共同で、診療時に使用するヘッドランプを開発しました。従来のヘッドランプは、色の再現性が低い白色LEDが用いられており、微妙な患部の状態が分かりにくかった欠点があります。一方、本ヘッドランプでは演色評価数が94という非常に高い色再現性を有するLEDを使用しているばかりでなく、コロナ禍において医師がウイルス等に暴露されないためのフェイスシールドも装備しています。今後、医師が安全に、安心して診療できるばかりではなく、病院でのクラスター発生を防ぐものとして期待できます。

プレスリリース資料はこちら

【研究手法・研究成果】
 工学部においてヘッドランプを設計し、3Dプリンターで製作し、医学部において実証実験を行いました。改良点の指摘を受け、試作を繰り返し、完成に至りました。
【今後の展望】
 山形大学発ベンチャーのオーガニックライティング(株)により、製造販売を行います。
【参考】
オーガニックライティング株式会社(山形県米沢市)
<事業内容> 照明機器・オブジェ等の応用商品の企画・デザイン・開発・販売。2009年設立の山形大学発ベンチャー。

※用語解説

  1. 演色性:色の見え方に関する指標。昼光の光を基準とし、照らされた物体の色の色ずれで評価する。
  2. COIプロジェクト:センター・オブ・イノベーション(COI)プログラムとは、科学技術振興機構(JST)および文部科学省が基礎研究段階から実用化を目指した産学連携による研究開発を支援するものです。10年後の目指すべき社会映像を見据えたビジョン主導型のチャレンジング・ハイリスクな研究開発を支援しています。(実施期間:2013年度〜2021年度)
  • シェア
  • 送る

プレスリリース一覧へ