ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2021年11月 > 下水調査で新型コロナウイルス感染陽性者数を予測 ~下水中ウイルス検出結果から算出した予測値の公開検証実験開始~
掲載日:2021.11.08
東北大学
山形大学
北海道大学
仙台市
株式会社日水コン
発表のポイント
この度、国立大学法人東北大学(総長:大野英男、以下、東北大学)大学院工学研究科の佐野大輔教授らの研究グループ、国立大学法人山形大学(学長:玉手英利、以下、山形大学)、国立大学法人北海道大学(総長:寳金清博、以下、北海道大学)、仙台市(市長:郡和子)、及び株式会社日水コン(代表取締役社長:間山一典、以下、日水コン)は、都市下水中の新型コロナウイルス調査結果に基づいた新型コロナウイルス感染陽性者数の週間予測に関する検証実験を公開で開始しました。
概要
▲図1.感染陽性者数予測モデルによる予測結果
新型コロナウイルスに関する下水調査が世界中で行われていますが、下水調査が新型コロナウイルスの流行把握にどのように役立つのか、検証が行われるべき時期がきています。東北大学らの研究グループは、下水中の新型コロナウイルスの調査結果に基づき、向こう1週間に発生する新規感染陽性者数の推定を行う予測モデルを構築しました。この予測モデルは、過去1年以上の仙台市内における感染陽性報告者数と市内下水処理場に流れてくる下水中新型コロナウイルス調査結果をもとに機械学習(ニューラルネットワーク)を用いて、予測値を導き出すものです。(図1)。
この度、その予測値を毎週公表し、予測モデルの実効性の公開検証を行うことにしました。現在、東北大学は、山形大学、仙台市、及び日水コンと共同で、「下水中ノロウイルス濃度情報発信サイト」(https://novinsewage.com/)を運営しています。ノロウイルス感染症においては、下水中ノロウイルス濃度と感染症患者数の推移が連動することが既に分かっています。このサイトでは、週1回程度の頻度で採取した下水中ノロウイルスの濃度をもとに、その濃度が基準を超過した場合に、メールアドレス登録者にノロウイルス感染症流行警報メールを発信しています。今回の検証実験では、このサイトを活用し、メールアドレス登録者宛に、新型コロナウイルス新規感染陽性者数の週間予測値を、週に1回配信致します(図2は配信メールのイメージ図)。メールには、予測値の精度を見極める目安となるよう、1週間前の予測値と実際の感染陽性者数も合わせて掲載します。
検証段階の予測システムであり、将来的な結果と必ずしも一致しない可能性はありますが、日々の生活における感染対策などの参考になれば幸いです。また、医療機関等では、向こう一週間に必要な病床数や救急隊員人員配置の計画などに活用頂ける可能性もあると考えています。
詳しくは、こちら(リリースペーパー)をご覧ください。
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