ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2022年06月 > 学長定例記者会見を開催しました(6/2) > 山形大学EDGE-NEXT実践編参加から学術指導契約、丸4年間の活動成果 ~ 山形大学と㈱サニックスの共同プロジェクトが新会社で事業化へ~
掲載日:2022.06.02
▲「ジャパントラックショー2022」(2022年5月12日~14日、於パシフィコ横浜)に新会社で初出展。PRE-EVトラックの前で新会社の経営陣と小野寺山形大学アントレプレナーシップ開発センター長。
山形大学は、2018年度から2年間、山形県ものづくりベンチャー創出支援事業の委託を受けた事業化支援を実施しました。2年目の2019年度、参加企業の㈱サニックスは、環境省の2019年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業に採択、2億円を超える資金調達を得て、技術開発と事業構築活動に着手しました。テーマは、走行に必要なエネルギーを事前計算して計画的に発電と蓄電ができる「計画発電蓄電制御装置」を搭載したEV商用車向け装置、PRE-EV(Plug-in Range Extender-EV)の開発です。同装置は移動電力を精緻に予測し、回生エネルギーの吸収等省エネルギー効果を創出、電池搭載量を大幅に減らして発電機を小型化することで、大型商用車のEV化で最大の課題であった航続距離の延伸とCO2排出量の削減を実現します。貨物事業者の経済合理性も確保できることから、これまで進まなかった大型商用車分野での展開が大きく期待されています。
2020年度からはサニックス社と学術指導契約を2年間継続し、事業化に向けた指導と情報や関係先紹介の提供をしながら進めてきました。コア技術の構築では、公道走行実証試験を昨年9月から継続して実施した結果、目標値以上の結果が出て、技術の有効性が確認できました。継続してデータの蓄積を続けています。開発サイドの技術テーマも、基本技術の構築から製品化に向けた各課題の解決へシフトしてきています。
そうした中、サニックス社は、環境省事業で開発から実証実験まで行い有効性が確認できた本技術での事業化に向けて、組織体制の強化を図り、経営計画への取り込みを行い、事業化を目的に、2022年5月2日、新会社を設立しました。新会社の狙いと今後のマイルストーンなどについても、今回発表させて頂くことになります。
詳しくはこちら(プレスリリース)をご覧ください。
①逐次 3次元分析を行って走行単位ごとにGIS データから標高差と距離を算出する。
②車両データを分析、取得ポイントから目的地までを走行単位毎に車重・ 電費等を推計することで、水平・垂直の総移動エネルギーを計算する。
③走行単位を移動する毎にこの計算逐次繰り替え、必要最低限の発電行う様に発電機を制御する。
以上を行う一連のシステムです。
山形大学は、㈱サニックスに対して、2018年度から、国際事業化研究センターによる伴奏的な指導、事業化に向けた連携を行い、2019年度、サニックス社はIOTを活用したPRE-EVトラック開発事業が、環境省事業に採択されました。2020年度からは学術指導契約に切り替えて連携を継続してきました。今年度からは、国際事業化研究センターからアントレプレナーシップ開発センターが引き継いで、連携事業として行っています。バッテリー技術に関するところは、山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンター次世代電池開発室も関与して、技術面での産学連携支援も行っています。
山形PRE-EVプロジェクトでの成果をもとに、本技術での事業化を行う新会社が設立されました。
会社名 | PRE-EV モビリティ株式会社 (PRE-EV MOBILITY Inc.) |
本社所在地 | 山形県山形市十文字812 番地 (㈱サニックス本社内) |
営業所所在地 | 大阪府八尾市、神奈川県横浜市 |
資本金 | 10,000,000 円 |
役員 | 取締役会長 佐藤 啓 代表取締役社長 安田 猛 |
主な取扱製品、サービス | 計画発電蓄電制御装置(SGCCS)をもとにした各種事業 |
設立時期 | 2022年5月2日 |
トラック業界等へのPRE-EVプロジェクト成果の公知では、5月12日~14日にパシフィコ横浜(横浜市)で開催された「ジャパントラックショー2022」にて、今回設立の新会社としてブースを構え、開発・実証試験を行ったPRE-EVトラックの実機を並べて案内しました。小野寺センター長が会場入りして、発表に立ち会いました。関係業界等から大きな反響が得られて、この先の事業展開に期待されています