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データ活用共創プラットフォーム“DuCop” ~スマート・テロワールDXで全員参加型社会システムを構築する~

掲載日:2022.12.08

本件のポイント

  • 山形発、地域の農業、畜産業の生産性・品質向上へ向けたデジタルデータ活用を推進するオープンプラットフォーム“DuCop(Data Utilization Co-creation Platform)”を立ち上げる。
  • 企業、他大学を含む研究機関、自治体、生産者の参画を募り、オープンに意見交換が可能な場を提供する。
  • 営農、畜産現場での環境データ、選別用物体データ、営農データ、加工・流通データ現場など、許諾を受けたデータをオープンデータとして提供し、企業、学生、教員の研究の加速が期待される。

概要

 山形大学では、3つの使命「地域創生」「次世代形成」「多文化共生」を実現するため、山形大学アグリフードシステム先端研究センター(YAAS)の研究推進体制の一つとして、デジタルデータ活用を推進する、データ活用共創プラットフォーム“DuCop”を立ち上げます。
 本プラットフォームは、4 Stageのストラクチャー(Stage1. オープンに研究ができるオープンラボ、Stage 2. 企業と教員が1対1で研究を推進するクローズドラボ、Stage 3. 様々な研究を実際の圃場、畜舎で行うフィールドラボ、 Stage 4. 収益性が高いシーズの事業化のサポート)を持ちます。これらを提供し、大学の持つシーズを生産者のフィールドでの実証を加速し、事業化を後押しすることで、地域にその研究成果を地域に迅速に還元する仕組みを構築します。様々な地域課題を様々な企業、研究機関、自治体、生産者が一体となり、スマートテロワールDXで全員参加型社会システムを構築します。

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背景

 農業、畜産業における主な労働者は、高齢化が進み、2020年度農林業センサスによると、10年後は基幹的農業従事者が約40万人減少することが想定されている。現在の農業生産体系の継続では、生産量が減少すると想定される。生産量を維持または向上させるためには、1人の農業従事者の生産効率を上げる必要がある。そのためには、食と農に関わる様々なデータを連携させ、一人の蓄積された営農ノウハウだけでなく、幅広い方々の生産活動を集約し、生産能力を高める取り組みを進めることが急務。

研究手法・研究成果

 これまで、農業、畜産分野でのデジタルデータ活用は、研究者が研究のためにデータを収集し、研究者の業績のための研究が行われてきた。データ収集で得られた環境データ、画像データなどを広く公開することで、データ収集の時間、コストの削減がなされるとともに、様々な研究者が農業、畜産分野の研究に参画しやすくなる。大学がコミュニケーションの場を構築することで、研究が加速し、地域に必要な情報を得られるデジタル社会インフラの構築が進む。農業、畜産分野のデジタル情報を扱う人材育成を進め、地域をデジタル技術で支える人材を送り出す。

今後の展望

第一段階として、営農支援プラットフォームを構築し、一人で行える営農作業の幅を広げ、生産性の向上、営農の質の向上の実現と共に、営農ノウハウの伝承、効率的な農機、土壌資材、農薬の活用の最適化をデジタル技術で支え、地域に還元する。

用語解説

1.プラットフォーム:様々な営農者のニーズに応えるためのデータ活用の土台(しくみ)を示す。
2.スマートテロワール:洗練を意味する「スマート」と、フランス語の「テロワール」(作物を作る土地の気候条件や風土)とを掛け合わせた言葉で、「土地の魅力を生かした豊かな農村社会をつくる」という想いが込められており、カルビー(株)元代表取締役会長の故松尾雅彦さんが提唱した理念。

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