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地域共同研究・草木塔プロジェクトの発足 ~令和時代の草木供養塔研究~

掲載日:2022.12.08

本件のポイント

  • 山形大学『“草木塔の心”教育・研究助成』に8月に採択。
  • 新しい視点での草木塔研究を実施している。
  • 草木塔は県内外、世界規模で環境保全のシンボルとなりつつあるが、その実態解明に地域と大学が連携して取り組む。

概要

 草木供養塔は、近世後期の置賜地域で建立され始めた石造物で、現在では環境保全のシンボルとして成立している。しかし、歴史的には、なぜそのような建立に至ったかは明確にはなっておらず、その解明が必要であると共に、現在新しく建立された草木供養塔を把握しながらその目的等を追調査し、現代社会の草木供養のあり方を記録化する事が必要である。また、その成果をひろく伝える為に様々な年齢層を想定した「草木塔を中心とした教育プログラム(仮)」の提案とマニュアル作成をする。現在、課題をたて実践、研究しているところである。
プロジェクト立ち上げメンバー:阿部宇洋(山形大学)、佐野賢治(神奈川大学)、梅津幸保(米沢市)、荒澤教真(米沢市)、金田江里子(米沢市)、佐野洋平(米沢市)

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メンバーに関して

 当該立ち上げメンバーのほとんどは地域で草木塔研究に長年関与してきたプロフェッショナルである。
 梅津は、草木供養塔研究の第一人者で置賜のみならず、様々な地域の草木供養塔を調査している。荒澤は草木塔の郷、米沢市田沢地区の寺院の住職であり、おいたま草木塔の会の会長である。地元の草木塔を熟知しガイドとしても実践活動している。佐野(賢)は、現在、米沢市にある(公財)農村文化研究所の所長に着任している。また、日本民俗学研究の第一人者で、50年近く置賜に通いながら、草木供養塔を含めた、山形の民俗的学的な研究や仏教民俗的研究をしている。金田は、ざいご太郎塾を主催し、「在郷」いわゆる田舎の魅力の発掘とその価値を広めるための草木塔ツアー開発などを米沢市と共同で実施している。佐野(洋)は、これらの地域に根ざした研究者と山形大学のアカデミックな技術や方法論を駆使し地域と共同して草木供養塔の意義の把握と研究を進める。

研究手法・研究成果

 当プロジェクトは「地域共同の草木塔研究と教育プログラムの開発」「草木塔ガイドマニュアルの作成」2件採用された。採択金は合計で30万である。地域のプロフェッショナルとアカデミックな研究資源を連携させながら、次世代へつながるような研究資源アーカイブズ化を目指す。その成果として、近年様々な解釈で語られる草木塔の解釈をとりまとめ、エビデンスのしっかりある歴史民俗資源としての定着を図るためにガイドマニュアルを作成予定。

研究状況

  キックオフミーティング、定例ミーティングをオンラインで実施。各自が課題を設定して現地調査や文献調査を実施している状況。融雪時期には新潟、東京などの草木供養塔の実地調査を予定している。

今後の展望

 近年、草木塔の世界発信が積極的に行なわれ始めると同時に、誤った理解が伝わる可能性が出てきている。草木塔は現在も未解明な点が多く、情報の発信には気をつける必要がある。地域のプロフェッショナルと学術専門家(University)が共同で研究する事により、より正しい情報を地域に根付かせ活用が図られる可能性がある。

※以前山形大学で実施していた「草木塔ネットワーク」とは別になります。

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