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本学学⽣が最新AI翻訳エンジンの開発に貢献  〜卒業⽣が経営する企業からの受託事業を実施〜

掲載日:2023.03.09

本件のポイント

  • 令和3年度にトランスユーロ株式会社(東京都千代⽥区)と受託事業「訳⽂デ ータ(原⽂・訳⽂)の量に応じたAI翻訳エンジンによる翻訳精度の変化」契約を 締結。その後令和4年12⽉に契約を更新、令和5年度12⽉まで継続の予定。
  • 本事業は鈴⽊亨教授(英語学/⼈⽂社会科学部担当)が受託し、渡辺将尚教授(ドイツ⽂学/⼈⽂社会科学部担当)の協⼒を得て、同学部・⼤学院の学⽣10名が、AI翻訳エンジン(英→⽇・独→⽇)の訳⽂データの処理と翻訳精度の確認に携わり、最先端の技術開発に貢献。
  • 同社代表取締役の井⼝雄⼀⽒と、本事業における翻訳エンジン開発に協⼒をいただいている江上聡⽒(シストランジャパン合同会社代表)は、いずれも本学⼈⽂学部(現・⼈⽂社会科学部)の卒業⽣。

概要

 ⼭形⼤学は、令和3年7⽉6⽇にトランスユーロ株式会社(東京都千代⽥区)と受託事業「訳⽂データ(原⽂・訳⽂)の量に応じたAI翻訳エンジンによる翻訳精度の変化」契約を締結、現在令和5年12⽉31⽇までの契約を更新している。
 本事業は鈴⽊亨教授(英語学/⼈⽂社会科学部)が受託、渡辺将尚教授(ドイツ⽂学/⼈⽂社会科学部)の協⼒を得て、同学部・⼤学院の学⽣10名が、AI翻訳エンジン(英→⽇・独→⽇)の訳⽂データの処理と翻訳精度の確認作業に携わり、最先端の技術開発に貢献している。
 同社代表取締役社⻑の井⼝雄⼀⽒は、本学⼈⽂学部(現・⼈⽂社会科学部)の卒業⽣であり、翻訳エンジンの開発という貴重な事業を本学に委託された。学⽣にとっては、最先端の技術開発事業に貢献できるとともに、コロナ禍でアルバイトが減少する中、本学のアドミニストレイティブ・アシスタント(※1)として雇⽤することで、経済的⽀援にもつながった。
 詳しくは、こちら(リリースペーパー)をご覧ください。

受託事業概要

〇委託者:トランスユーロ株式会社 東京都千代⽥区東神⽥1-2-2
     代表取締役 井⼝ 雄⼀ ⽒(平成4年⼭形⼤学⼈⽂学部卒業)
     事業内容:特許翻訳、技術翻訳、法律⽂書翻訳など、主にドイツ語・英語全般に関わる翻訳業務
〇事業題⽬:訳⽂データ(原⽂・訳⽂)の量に応じたAI翻訳エンジンによる翻訳精度の変化
〇事業担当者:学術研究院(⼈⽂社会科学部担当)教授 鈴⽊ 亨
       学術研究院(⼈⽂社会科学部担当)教授 渡辺 将尚(協⼒)

関係者のコメント

〇トランスユーロ株式会社 代表取締役 井⼝ 雄⼀ ⽒
1.⼭形⼤学に委託した理由
 今回のプロジェクトは2020年の年明けからスタートさせております。当初は単独での開発を優先し、⾃社の社員のみで対応することを想定しておりました。しかし、業務繁忙が続いたことにより、開発の遅れが懸念されたことから、外部団体との協働を模索するようになりました。その際、新型コロナウイルスの蔓延という予想だにしなかった逆⾵により、企業活動は勿論のこと、⽇本の将来を担う学⽣の就業環境も厳しい状況に置かれている現状を考えるに⾄り、「当社と最良のバランスを保てる機関」として貴学にお声がけをさせていただきました。
2.事業の進捗状況
 順調に進んでおり、現在、英⽇、独⽇ともVer 05まで出来上がっております。リリースの都度、その精度については⼤学と情報共有しておりますが、担当して頂いている学⽣の殆どが4 年⽣であったことから、昨秋以降は学業を最優先として頂き開発ペースをセーブいたしました。しかし、それまでの進捗が⾮常に早かったことからほぼ予定通りのスケジュール消化となっております。

  Ver 01 Ver 02

Ver 03

Ver 04  Ver 05  Ver 06
英⽇ 2021/10 2021/11 2022/12 2022/2 2022/5 2023/8?
独⽇ 2021/12 2022/3 2022/5  2022/7  2022/12 2023/10 ?

3.今後の展望等
当初は社内に限定した運⽤を想定しておりましたが、昨秋より外部団体からもお問い合わせを頂くようになり
ました。現在では、利⽤を希望する団体を対象とした「無償トライアル制度」を構築し、(条件はあるものの)、
英⽇(Ver 05)についてはいくつかの企業様に積極的にご利⽤頂いております。また、社内では気づきづらいコメ
ントも多々頂けておりますので、これにより、更なる精度向上を図ることが可能であると考えております。加え
て、今年からは、独⽇(Ver05)の外部への開放を早い段階で⾏いたいと考えております。独⽇についても、今後
の市場ニーズに応えるべく、⼤学にはプロジェクトにご参加頂ける新たな学⽣の確保にご協⼒頂きたいと思って
おります。

〇学術研究院(⼈⽂社会科学部担当)渡辺 将尚 教授
 AI 技術の発展に不安を抱いている⽅もいらっしゃるかと思います。私も始めはそうでした。しかし本プロジェクトに関わっていく中で、AI が学習する内容は、かつて⼈間が⾃らの頭脳を使って⾏った作業結果の集積であること、AI が能⼒を上げていく際にも⼈間の⼿が必要となること、以上のようなことを知るに⾄りました。過度に怖れるのではなく、適切に⼈間が関与することによって、⼈間にとってもメリットのあるシステムを構築することができる。現在そのような思いをもって、学⽣たちの作業を⾒守っているところです。

〇⼤学院社会⽂化創造研究科2年 有路真奈さん(参画学⽣)
 作業の中では、ビジネスの場で実際に⽤いられているドイツ語の⽂章、そしてその⽇本語への巧みな翻訳⼿法を拝⾒できることで、よりリアルなドイツ語の世界を体感できる貴重な機会を頂いていると感じます。今後ますます発展を遂げていくAI 翻訳の品質向上に、微⼒ながらお⼿伝いさせていただいておりますこと、さらに、その進化の瞬間に⽴ち会わせていただいておりますこと、⾄極光栄に存じます。

⽤語解説

1.アドミニストレイティブ・アシスタント:修学に⽀障のない範囲において、本学の業務・事業に本学の学⽣を
参画させることにより、学⽣⽀援業務等の充実と学⽣の就業意識の向上を図り、また、学⽣に対する経済的⽀
援を⽬的とした本学独⾃の制度。

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