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高大連携授業による探究活動の促進 ~山形大学と米沢興譲館高等学校の相互連携の試み~

掲載日:2023.04.06

本件のポイント

  • 平成31年度から高大連携授業として大学3年生と高校2年生が相互に連携をしながら課題解決型学習を行う先駆的な授業を実施しています。
  • 大学生が高校生の研究相談にのり,高校生の探究活動に大学生が刺激を受けるという,双方向型の高大連携授業を日本で初めて実現しました。
  • 大学生と高校生がそれぞれの視点で課題解決を行うことで相乗効果を生み出す,新しい教育環境の発展が期待されます。

概要

 ⼭形⼤学⼈⽂社会科学部と米沢興譲館高等学校では,高大連携授業として大学3年生と高校2年生が相互に連携をしながら課題解決型学習を行うという,新たな試みを平成31年度から行なってきました。これまでの実施から、複数の学問領域の学生が参加しやすい環境を作り出し,現実社会と同様の正解のない問題解決を行うことの重要性,大学生が高校生に教えることによる有効性がわかりました。この先駆的な高大連携授業の取り組みは、教育専門誌「月刊 先端教育」(20233月号)等でも取り上げられました。今後は,自治体や研究所と連携した実践的な課題解決や,大学生と高校生の共同研究など,先駆的な高大連携授業の開発・実践を進めていきます。

 詳しくは、こちら(リリースペーパー)をご覧ください。

背景

 平成29年に人文 学部は人文 社会科学部に改組を行いましたが,地域企業や自治体関係者から大学に要望のあった「実社会で生きるための力」を身につけることが改組の柱となっていました。学問的な知識を踏まえつつ社会の中で活躍できる人材を養成するため,従来は手薄だった技能科目・実践科目の強化・導入が行われ,新たな実践科目として「課題演習(地域情報)」(担当教員:大杉尚之,本多薫,山本陽史,小林正法)を開講しました。一方,県全体の方針もあって県内の高校では積極的に探究を実践しており,県内のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)として探究の蓄積がある米沢興譲館高等学校の2年生と人文 社会科学部の3年生がともに探究を行う連携授業の実施に至りました。

授業手法・授業成果

 この授業は,大学生が,地域課題等に関する研究テーマを策定し,地域,社会,人間の間に生じる問題について認知・人間工学実験や,統計的調査などの科学的な手法で解決する力を修得することを目指すものでした。研究プロジェクトをグループまたは個人で実施し,半年間かけて研究論文の選定,実験プログラムや調査アンケートの作成,実験や調査の実施,分析,ポスター発表等を行いました。その中で,大学生と高校生が顔合わせを行い,高校生の研究相談を大学生が引き受ける,双方の研究発表会に参加し,意見交換を行うなどの連携を行いました。これまでの実施から、複数の学問領域の学生が参加しやすい環境を作り出し,現実社会と同様の正解のない問題解決を行うことの重要性,大学生が高校生に教えることによる有効性が分かりました。この授業の詳細、高大連携の今後の課題への提言や高大連携授業が果たす役割についての展望は、論文(大杉尚之・本多薫・山本陽史・小林正法. (2021). 高大連携授業を通じた探究活動の相互連携の試み ー山形大学と米沢興譲館高等学校を事例としてー. 山形大学大学院社会文化システム研究科紀要, 18, 37-50.)で説明しています。

今後の展望

 今後は,自治体や研究所と連携した実践的な課題解決や,大学生と高校生の共同研究など,先駆的な高大連携授業の開発・実践を進めていきます。

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