ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2024年03月 > 学長定例記者会見を開催しました(3/7) > 災害時要支援者(児)のニーズを 学内掲示で発信 ~「インクルーシブ防災」研修で得た学びを参加型教材に~
掲載日:2024.03.07
山形大学「つなぐちから。」 社会共創活動推進プロジェクトの活動助成を受けて、10月から12月にかけて全4回の災害時要支援者(児)のニーズを知ることを目的とした研修会を開催しました。その参加者であった地域教育文化学部の学生たちが、学んだことを広く発信し、理解啓発をはかるために、掲示物を作成しました。
当初はリーフレット作成を予定していましたが、より多くの人の目にふれる形として小白川キャンパス構内への掲示物として発信することに決定しました。さらに、多くの方々に内容を読んでいただけるように、クイズ参加型掲示物を学生が考案しました。クイズは視覚障害編、聴覚障害編、運動障害編、知的障害編、福祉避難所編の5分野から成り、その内容は研修でお聞きした当事者のニーズを反映させたものです。5分野の掲示物を1カ所1分野ずつ掲示していて、これは、興味を持った方が、キャンパス各所を巡るオリエンテーリングのように楽しんでいただけることをねらっています。
現在活動している学生たちは、地域教育文化学部3年生で特別支援教育や防災教育等を卒業論文のテーマとしていて、今後も継続研究する予定です。
詳しくはこちら(リリースペーパー)をご覧ください。
東日本大震災後、BOSAIは世界的に注目され、防災教育の必要性も認識されています。教員養成では、2019年度から学校安全について必ず修得することとされました。児童生徒等に対する安全教育の充実を図るためには、教職員自身が自然災害等の安全に関する知見等、指導すべき内容を明確に把握しておくことが重要です。本学地域教育文化学部では、「教員になるための学校防災の基礎」を2015年度入学以降の児童教育コース学生対象に必修科目として開講しています(2017年度入学生からは「教員になるための学校防災」に科目名改称)。これにより、教員としての防災の基礎は修得できるものの、特別な支援を必要とする児童・生徒に対する防災教育までの広がりはなく、特別支援学校における防災教育の充実を含め、今後も取り組みを進めていく必要があります。
本研究・プロジェクトは、山形県教育委員会(特別支援教育課)の後援を受けて進めています。今回の参加型教材は大学生向けに作成したので、今後は小・中学生向けの改訂版を作成し、小・中学校、特別支援学校へ寄贈することを検討しています。この教材をきっかけに防災や多様な人々と共に暮らす社会に関心を持っていただけることを期待しています。今後は、要配慮者支援を含む防災教育プログラムを構築し、小・中学校や特別支援学校等での実践へ発展させます。一緒に活動を推進してくれる学校や自治体があればご連絡ください。