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地域の日本語教育環境の充実に向けた取り組み

掲載日:2024.03.07

1.日本語教育文法ワークショップを開講~日本語教師を目指す人に向けた、基礎を実践的に学ぶ講座~

本件のポイント

  • 日本語教師を目指したい方、地域の日本語学習支援に携わっている方でスキルアップしたい方を対象にした、オンラインによる全8回(4月の毎週土曜・計4日間)のワークショップ。日本語教育文法の基礎を実践的に学ぶ。
  • 昨年2月に岩手県、秋田県、山形県の3県から7団体により締結した「なか東北連携」の協議会が後援。
  • 同連携協定では、昨年5~12月に地域日本語教育専門人材養成講座を開講。令和6年度も5月から実施予定のため、こちらを受講予定の方で、日本語教育文法に自信のない方には強くお勧めします。

概要

 外国人労働者等の増加に伴い、日本語教育専門人材の養成・研修は全国で行われています。また、2024年度から日本語教員は国家資格になり、その第一回試験が11月17日(日)に実施されることが決まっています。この資格取得の要件にはなりませんが、本学では、一昨年2月に「岩手県・秋田県・山形県による地域日本語教育専門人材養成事業に関する連携協定」(通称:なか東北連携)を締結し、昨年5~12月には第二回となる地域日本語教育専門人材養成講座を実施しました。同講座は1年以上の日本語教授歴(地域の日本語教室含む)がある人や日本語教師養成講座修了生などを対象に行われ、昨年は3県で合計25名が修了しました(内、山形県は9名)。
 同講座を実施したことにより、日本語教師を目指す人が基礎知識を主体的に学ぶ場が必要であることがわかりました。今回も「日本語を教えてみたいけど、外国語としての日本語の文法を勉強したことがない」「文法書は読んだけど教えるには不安」といった方に向けた、日本語教育文法に特化したワークショップを開催します。

 詳しくはこちら(リリースペーパー)をご覧ください。

開催要項

「日本語教育文法ワークショップ」
[日時]2024年4月13日・20日・27日・5月11日(全て土曜) 時間は全て9:00~12:10
[講師]内海由美子、今泉智子、仁科浩美(以上、山形大学)・嶋ちはる(国際教養大学)
[対象]岩手県、秋田県、山形県在住の方(詳しくはチラシをご確認ください)
[定員]30名 [受講料]8,000円 [開講形態]オンラインによる受講者参加型ワークショップ
            後 援              /なか東北地域日本語教育専門人材養成協議会
    ※詳細はフライヤー募集要項をご覧ください。

「なか東北連携」について

 正式名称は「岩手県・秋田県・山形県における地域日本語教育専門人材養成事業に関する連携協定」。岩手大学国際教育センター、国際教養大学専門職大学院グローバル・コミュニケーション研究科、山形大学学士課程基盤教育機構、公益財団法人岩手県国際交流協会、公益財団法人秋田県国際交流協会、山形市国際交流協会、特定非営利活動法人ヤマガタヤポニカの7者での事業連携協定。

2.地域日本語教育専門人材養成講座を開催~日本語教育者のスキルアップを目指し、岩手・秋田・山形が合同で講座を開講~

本件のポイント

  • 本語教育課程を有する本学、岩手大学、国際教養大学が連携し講座を開講し専門人材の養成・研修を行う。
  • 令和4(2022)年2月に岩手県、秋田県、山形県の3県から7団体により締結した「なか東北連携」の協議会が実施。3県にある国際交流協会が人材として登録し、企業等からの照会に対応する。また、「なか東北連携」の協議会が修了者に対する情報提供を行い、人材のさらなるレベルアップをはかる。
  • 第1回は令和4年5~11月に行われ、3県で31名が受講し29名(内、山形県は11名)が修了した。第2回は令和5年5~12月に行われ、25名(内、山形県は9名)が修了した。

概要

 外国人労働者、留学生の増加にともない、質の保証された日本語教育を行うための体制づくりは急務であり、その専門人材の養成・研修が全国で行われています。常勤日本語教師の数が全国最下位の本県では、専門人材の養成が喫緊の課題です。一昨年度から実施している地域日本語教育専門人材養成講座の第3回を今年も5月から開講し、継続的に人材を育成していきます。同講座は、1年以上の日本語教授歴(地域の日本語教室含む)がある人や日本語教師養成講座修了生などを対象に行います。

開催要項

[期間]   オンライン講座〔60単位時間〕:令和6(2024)年5月25日(土)~8月7日(水)
              対面実習〔16単位時間〕:令和5(2023)年8月下旬~9月(土曜開講)
              オンライン実習〔16単位時間〕:令和5(2023)年10月30日(水)~12月18日(水)
              ※オンライン講座・実習は岩手県、秋田県、山形県の3県合同、対面実習は各県で実施
[定員]   各県10名(合計30名)   [受講料] オンライン講座・実習:無料、対面実習:35,000円
     
     ※詳細はフライヤー募集要項をご覧ください。

「岩手県・秋田県・山形県における地域日本語教育専門人材養成事業に関する連携協定」について

 令和4(2022)年2月に、岩手大学国際教育センター、国際教養大学専門職大学院グローバル・コミュニケーション研究科、山形大学学士課程基盤教育機構、公益財団法人岩手県国際交流協会、公益財団法人秋田県国際交流協会、山形市国際交流協会、特定非営利活動法人ヤマガタヤポニカの7者で締結した事業連携協定。令和4(2022)年に続き、令和5(2023)年5月から「地域日本語教育専門人材養成講座」を開講する予定。通称、なか東北連携。

令和5年度「地域日本語教育専門人材養成講座」について

・開催概要
[期間]      令和5(2022)年5月~12月
[内容]      オンライン講座・実習:76単位時間 ・ 対面実習:約16単位時間
  ※合計 約92単位時間の講座を実施(1単位時間=45分)
  ※オンライン講座・実習は岩手県、秋田県、山形県の3県合同、対面実習は各県で実施
  ※オンライン講座・実習の内容は、文化審議会国語分科会(2019)「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)確定版」の「日本語教師【初任】研修」を参考とした。
[講師]      松岡洋子(岩手大学)、伊東祐郎・嶋ちはる(国際教養大学)
                  内海由美子・仁科浩美・今泉智子(山形大学)
[応募条件]・日本語教育に関する経験があること  ・オンライン受講が可能であること
                 ・3県いずれかに在住し、講座修了後に地域日本語教育専門人材として活動する意思があること 等
[参加者数]定員:各県10名(合計30名)
                 申込者数:32名から28名(うち日本語非母語話者は3名)を受講者として選定
[修了要件]・80%以上の出席
                 ・模擬授業を含めた実習の実施と課題の提出
[修了者数] 受講者28名のうち、25名(岩手県9名、秋田県7名、山形県9名)が修了
※12月23日にオンラインで3県合同の修了式を行い、修了証を授与。その後、各県・市の国際交流協会に、人材バンクへの登録を要請した。

オンライン講座の様子の画像
オンライン講座の様子

対面実習の様子(山形大学)の画像
対面実習の様子(山形大学)

 講座終了後に実施したアンケート結果から、オンラインと言う形式で、他県の受講者と一緒に学べたこと、グループワークでの受講者同士の学び合いが、特に外国人散在地域で活動する受講者にとって大きな収穫となったことがわかりました。日本語教育の経験がある受講者にとっては、これまでやってきた教育実践を客観的に見直す機会になったようです。
 対面実習は、他の受講者の授業が見られたこと、学習者役の外国人からフィードバックがもらえたこと、講師のコメント等、概ね好評でした。オンラインでの模擬実習は、全員が役に立ったと評価していますが、外国人に教えてみたかった、もっと長い時間実習したかったとのコメントもありました。
 講座修了後に山形市国際交流協会へのサポーター登録を依頼しました。外国人と日本人が交流できる日本語教室を計画している人、こちらから有償の日本語教育の仕事を紹介した人も少数ながらおり、着実に人材が育っていると評価できます。

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