ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2024年06月 > 学長定例記者会見を開催しました(6/6) > 山形発!日本の学校給食の歴史・価値を英語で紹介~世界各国の学校給食を俯瞰する学術書がアメリカで発行~
掲載日:2024.06.06
世界各国の学校給食の政策的特徴や社会的変革について紹介した書籍「Transforming School Food Politics around the World」がアメリカの出版社から5月末に発刊。世界8か国から、多彩なメンバーが集まり、各章を執筆。本学の大森桂教授が、唯一の日本人として参画。
他国の学校給食の状況を知ることで、日本の特徴がさらに浮き彫りになり、伝統ある学校給食を活用した総合的食育を展開する日本モデルとして海外の認知度がさらに上がることを期待。国内においても、学校給食の教育的意義が再認識され、予算増や人材育成、食材や献立等の更なる充実が望まれる。
詳しくはこちら(リリースペーパー)をご覧ください。
学術研究院(地域教育文化学部主担当)大森桂教授は、これまで、日本の学校給食発祥の地と言われている山形県の地域性を活かし、日本そして山形の学校給食の多面的な意義を国内外に発信するため、動画の制作や国際シンポジウム、英語によるウェビナー等を企画・開催し、本学記者会見でも報告してきた。今回発刊された本の編者であるGaddis氏や共著者であるAgliano氏とは以前から親交があり、来日された際には本学で学生に向けて講演をして頂いたり、山形の学校給食の現場を案内したりしてきた。今回の出版企画については、2020年頃から、チームで内容の議論を重ね、情報収集、英文執筆、推敲を繰り返し、コロナ禍もあって3年以上かけて、本年5月28日に世界同時に発売された。
日本の章では、山形県鶴岡で明治時代に給食が始まったことを含めてその歴史について紹介している他、食育基本法や学校給食・栄養教諭に関する法的整備等について解説。さらに、学校給食が生きた教材として、食育に長年多面的に貢献していること等を紹介するとともに、現在の学校給食の抱える課題等も考察し、他国の学校給食の参考になるよう提言をしている。本書では、日本の他、カナダ、ペルー、フィンランド、アメリカ、インド、ブラジル、韓国の学校給食について章ごとに論説されている。
本の内容については、以下のURLから無料で一般公開も開始されている。
https://direct.mit.edu/books/oa-edited-volume/5789/Transforming-School-Food-Politics-around-the-World
DOI: https://doi.org/10.7551/mitpress/15426.001.0001
今回の発刊をきっかけに、山形をはじめとする日本の学校給食を効果的に活用した総合的な食育の特質が、「Shokuiku」として国外のより多くの人に認知され、世界の子ども達と家族のウェルビーイングに貢献することが期待される。