ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2024年11月 > 学長定例記者会見を開催しました(11/7) > 山形県初、地球深部探査船「ちきゅう」との衛星中継での市民公開教室が11月24日(日)開催決定 IODP第405次研究航海「東北地方太平洋沖地震」の解明にむけての最先端研究の様子を紹介
掲載日:2024.11.07
山形大学地域教育文化学部は、山形県初となる世界最大の地球科学研究用掘削船「ちきゅう」との衛星中継を使った市民向け教室を、2024年11月24日(日)に開催する。「ちきゅう」では、プレート境界型地震の解明を目指した国際深海科学掘削計画(IODP)の第405次研究航海JTRACKが東北沖で現在行われている。この国際研究では、東北地方太平洋沖地震の原因解明や、将来の巨大地震に対する防災対策を目的に、プレート境界から直接岩石を採取し、地震を引き起こすメカニズムや、地下深部における流体や鉱物の物理的特性などを調査している。9月21日には、世界で初めて7877mの海底からの岩石掘削に成功した。11月24日(日)に開催される市民向け教室では、山形県の小学生から大人を対象に、先着約200人を募集する(受付は11月1日から開始)。教室は14時から15時半を予定し、その内約30分間「ちきゅう」と山形大学が衛星中継で繋がり、「ちきゅう」に乗船中の研究者らが直接船内を案内し、中継最後に質問することができる。募集は11月1日から11月20日まで山形大学CWBのWEBサイトで行う(下記参照)。また山形大学の会場では、過去に「ちきゅう」に研究乗船した経験を持つ山形大学教員の竹林知大氏(33)が進行を務め、中継の前後には「ちきゅう」の基本情報や地球科学研究の魅力についても紹介する予定である。第405次研究航海はプレート型巨大地震の解明に向けた歴史的な研究の一つであり、衛星中継にて多くの市民に地球科学の最前線を知る機会を提供することが期待されている。
詳しくはこちら(リリースペーパー)をご覧ください。
2011年3月11日東北地方太平洋沖地震が発生し、多くの人々の命が津波で奪われた。2012年IODP 第343次研究航海JFASTにてプレート境界の一部から岩石試料の採取に成功し、構成鉱物が粘土鉱物であることや、地震発生時に地震前に蓄積されていた応力が解放されたことを明らかとした。2024年巨大地震から10年以上経過し、プレート境界内で現在の応力の蓄積や地震を起こした地層内の鉱物や流体の物性について課題が残されている。IODP第405次研究航海では、これらの課題解決にむけて「ちきゅう」によるサンプリング調査を行う。その研究の様子について衛星中継(約30分間)を用いて山形大学と繋いだアウトリーチ活動を行う。
参加募集:https://cwb.kj.yamagata-u.ac.jp/diary/137313 (山形大学CWB)研究手法については、https://www.jamstec.go.jp/chikyu/j/exp405/index.htmlを参考。アウトリーチ手法:衛星中継でつなぐ箇所「ちきゅう」、「IODP J-Desk」、「JAMSTEC」、「静岡東部学習支援センター」、「山形大学地域教育文化学部」を予定している。(用語):IODP: International Ocean Discovery Program (国際深海科学掘削計画)