ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2024年12月 > 学長定例記者会見を開催しました(12/5) > 令和6年7月山形県北部豪雨災害調査続報 ~とくに新庄市新田川の氾濫と酒田市北青沢地区の斜面災害について~
掲載日:2024.12.05
▲浸水痕(街路樹と漂着物)
令和6年7月下旬の大雨災害のうち夜間に生じた事象については目撃情報などの直接的な情報が限られているため、現場に残された堆積物、漂着物、侵食痕などを手掛かりにして、災害発生時の状況や原因について解析を進めてきた。新庄市本合海地区でパトカーが流された‘横断道路’に関しては、街路樹・電信柱・路面の浸水痕の調査をもとに最大増水時の状態を復元したところ、浸水範囲は約300 m、浸水深は最大85 cm程、パトカーが流された地点の水深は約80 cmと推定された。この値はドライブレコーダーの記録による80 cmという値と一致することから、パトカーが流されたのは最大増水時であったと考えられる。発災地点から上流3 kmの範囲内で生じた3箇所の破堤・決壊によって水田へ流出した氾濫水は結果的に全て‘横断道路’へと流下したとみられるが、決壊が生じた順序については依然として不明である。
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令和6年7月25日午前から7月26日未明にかけての大雨によって庄内・最上地域を中心に甚大な被害が生じ、3名の命が失われた。山形大学災害環境科学研究ユニットでは7月27日以降現地調査を行い、被災状況の概要について9月の日本地質学会山形大会にて速報を行った。今回の東北地域災害科学研究集会では、それら広域的な調査概要に加えて、とくに新庄市新田川の氾濫と酒田市北青沢地区の斜面災害に関する調査の進捗について報告する。
東北地域災害科学研究集会は、自然災害研究協議会東北地区部会・日本自然災害学会東北支部が主催し、自然災害に関する研究者が参集して年に1回開催されている。山形大学での開催は2019年の小白川キャンパス以来5年ぶりとなる。今回は農学部の菊池俊一准教授がホストとなって、鶴岡キャンパスにて開催される。
山形大学災害環境科学研究ユニットでは、今回の東北地域災害科学研究集会で次の講演を予定している。講演日は令和6年12月25日(水)〜26日(木)。
(1)タイトル:令和6年7月下旬に発生した山形県北部豪雨災害について
講演者:本山 功(山形大・理)・三辻和弥(山形大・工)・熊谷 誠(山形大・地教)・
村山良之(山形大・地教)・橋本智 雄(中央開発)・佐藤正成(中央開発)・岩田尚能(山形大・理)・
加々島慎一(山形大・理)・石垣和恵(山形大・地教)・八木浩司(山形大・地教、深田地質)
(2)タイトル:令和6年7月山形県豪雨における建物・構造物の被害について
講演者:三辻和弥(山形大・工)・三浦篤史(山形大・工)・小國惇浩(山形大・工)・
本山 功(山形大・理)