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世界初 無色透明なX線を遮蔽できる複合材料の開発に成功 ~山形大学高橋辰宏研究室と弘前大学被ばく医療総合研究所及び保健学研究科の共同研究成果~

掲載日:2024.12.05

本件のポイント

  • 山形大学 床次僚真 日本学術振興会特別研究員(DC2)らと、弘前大学被ばく医療総合研究所及び同大保健学研究科は、材料設計と評価解析に関して共同研究を行うことで、無色透明でしかもX線を遮蔽できる複合材料を世界で初めて開発した。
  • X線を用いている診断・医療・治療・滅菌・消毒・分析・検査(空港手荷物、鉄筋コンクリート構造物等)・植物(品種改良)・食品(保存)・防護具などで、軽量性に加えて、無色透明性を有することで、安全性と作業性を上げつつ、X線被ばくを防ぐところへの応用が可能である。

概要

 山形大学 床次僚真(とこなみ りょうま)日本学術振興会特別研究員(DC2 有機材料システム研究科 博士後期課程2年生 指導教員:高橋辰宏教授)らと、弘前大学被ばく医療総合研究所及び同大保健学研究科は、材料設計と評価解析に関して共同研究を行うことで、無色透明でしかもX線を遮蔽できる複合材料を世界で初めて開発した。液体から、固い複合体、更には柔らかい複合体まで、そして、生分解、リサイクルもでき、環境にやさしい複合材料を作製できる。国内特許出願(山形大学と弘前大学での共願)をすでに行い、それを基礎として海外でも権利化すべく国際出願(科学技術振興機構JST 知財活用支援事業に採択)も行った。本研究は日本学術振興会及びJKA財団の支援を受けて行っている。研究成果はAmerican Chemical Societyアメリカ化学会の査読付き国際ジャーナル ACS Omega (IF:4.0 https://doi.org/10.1021/acsomega.4c07904 Ryoma Tokonami et al.)に受理掲載されました。

詳しくはこちら(リリースペーパー)をご覧ください。

背景

 山形大学有機材料システム研究科では高分子・有機材料をベースに幅広い複合材料研究を展開している。一方、弘前大学被ばく医療総合研究所は、放射線総合科学をベースに、計測技術の高度化、環境・生物影響、放射線防護材料などの研究や、福島原子力災害の支援まで広く展開している。床次僚真 日本学術振興会特別研究員(DC2)からのオリジナリティある新しい研究テーマ自体の提案と自由な発想での基礎研究から共同研究をスタートさせてきた。従来実現できていなかった、高いX線遮蔽特性を保持しつつ、無色透明を実現させることで、安全性と作業性を向上させたい医療現場等でのニーズも把握しつつ、特許出願も行い産業応用を視野にいれつつ共同研究を展開させてきた。

山形大学高橋辰宏研究室 https://tatsuhiro-lab.yz.yamagata-u.ac.jp/
弘前大学被ばく医療総合研究所 https://irem.hirosaki-u.ac.jp/
弘前大学大学院保健学研究科 https://ghs.hirosaki-u.ac.jp

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