ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2025年05月 > 学長定例記者会見を開催しました(5/8) > 高校生が大学の授業を受けて、単位も先取りできる ~数学や理科を深く追求したい全国の高校生に一歩先の学びを~
掲載日:2025.05.08
山形大学理学部では、令和7年度から高校生が大学の授業を受講できる「サイエンスセミナー」を開講します。この取り組みは、「理学部って、どんなところ?」「大学の授業って、どんな感じ?」という疑問を解消し、数学や理科を深く探求したい意欲的な高校生に新たな学びを提供するものです。遠隔地からでもオンラインでの受講が可能で、この授業で単位を取得した高校生が将来山形大学理学部に入学すると、その単位が認定されます。
履修希望者は、所属する高等学校を通じて、本学の高大接続科目等履修生として申し込む必要があります。この制度は、高校生に多様な学習機会を提供し、進路の選択にも役立ててもらうことを目的として設けられました。「サイエンスセミナー」はこの制度を活用して開講する第1号の授業科目であり、全国の高校生に対して入学後に単位認定を行う取り組みとしては、東北地方で初めてとなります。なお、山形県立東桜学館高等学校では、この授業で得た学修成果が学校外での活動として認定され、大学と高等学校の双方から単位認定を受けることができます1。
詳しくはこちら(リリースペーパー)をご覧ください。
高校生による大学での単位取得は、高等学校教育と大学教育の接続を円滑にし、学びの多様化を推進する取り組みとして全国に広がりつつあります2。山形大学理学部では令和4~5年度に高大連携の一環として、山形県立東桜学館高等学校の希望する生徒に「サイエンスセミナー」をオンライン授業形式で提供しました。この取組みを通じて得られた経験をもとに授業の内容や構成について見直しを行い、令和7年度から全国の高校生が受講でき、単位も先取りできる授業科目として開講することとしました。
理学部では、数学や理科の「なぜ?」を深く追求する研究が行われています。科学(サイエンス)は世界の仕組みを解明し、新たな視点をもたらす冒険です。私たちの身の回りにあるスマホや自然界の綺麗な模様、小さな石ころにさえ、その裏には科学があります。「サイエンスセミナー」では、数理科学(数学・データサイエンス)や自然科学(物理学・化学・生物学・地球科学)の様々なテーマについて、高校生程度の知識(数学Ⅰ・Ⅱ、理科基礎)を活かしながら、多角的な視点で物事を捉え、理解を深めていきます。
・ 受講資格: 当該授業科目を履修するのに十分な学力を有し、在籍する高等学校長が推薦する者(標準として高校2年生以上を目安とします)
・ 受講方法: 所属する高等学校を通じて、高大接続科目等履修生として申込む必要があります(今年度の締切は8月6日)。授業は理学部の教室で受講するか、インターネットに接続されたパソコンまたはタブレット端末からオンラインで受講することができます。
・ 開講される期間と時間: 10月~12月の毎週金曜日16:30~17:50
・ 成績評価: 計12回の講義のうち8回以上を受講し、翌週までに課題を提出することが必要です。課題の評価点の平均値が成績点となり、60点以上で合格となります。
・ 受講料: 5,500円
詳細は理学部ホームページ https://www.sci.yamagata-u.ac.jp/ に掲載しています。
1. 高校教育の多様化や充実を目的として、高校の生徒が学校外で行った学修を、高校の科目履修とみなして単位を認定することができます(学校教育法施行規則第150条)。
2. 先行事例として、例えば鹿児島大学や信州大学の先取り履修制度があります(信州大学は長野県内の高校生限定)。