ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2025年06月 > 学長定例記者会見を開催しました(6/5) > 2025年大阪・関西万博の展示に研究成果が導入 ~「もっとグッスリ(More IoT for good sleep)」に眠りやすい照明や香りが採用~
掲載日:2025.06.05
2025年大阪・関西万博の経済産業省エリアでの「もっとグッスリ(More IoT for good sleep)」における展示に、学術研究院・山内教授の研究成果が導入されます。個人に合わせた快適な睡眠を誘導するサービスの中で、照明と香りに関する制御技術です。山形大学主宰のGood Sleepコンソーシアムの成果の一つとして、山内教授の研究では、リラックスできる照明として時間的ゆらぎを有する照明、眠りやすい香りと覚醒する香りとしてそれぞれスギとローズマリーの有効性を示してきました。万博期間中に、部屋を模した睡眠ブースでの体験展示が行われますが、そのブースでの快適な眠りへいざなう照明や香りとして研究成果が導入されることになりました。
詳しくはこちら(リリースペーパー)をご覧ください。
「もっとグッスリ(More IoT for good sleep)」は、個人の健康記録(PHR)を活用し、株式会社LIXILの「Life Assist2アプリ」を通じて入浴~入眠~睡眠中~起床時という一連の流れの中で、適切なタイミングで住宅機器コントロールや行動リコメンドをする、個人に合わせた快適な睡眠を誘導するサービスです。このサービスは、経済産業省の「令和5年度補正PHR社会実装加速化事業(情報連携基盤を介したPHRユースケースの創出に向けた課題・論点整理等調査実証事業)」の一環として創出されたもので、大阪・関西万博ではEXPOメッセ「WASSE」にて6月21日~29日の期間限定で体験展示します。部屋を模した睡眠ブース内のベットで横たわり、短時間の疑似的な睡眠体験を楽しむことが可能です。この展示に対し,山形大学は Good Sleepコンソーシアム参加企業である株式会社LIXILからの委託を受け、当大学の研究結果をサービス内容に適用することで協力しました。
山形大学では2023年から「Good Sleepコンソーシアム」を主宰し、睡眠課題に対してさまざまな生活の場面からアプローチしております。中でも、「光と睡眠」「香りと睡眠」からの切り口ではリラックス効果を与える光や香りの実証実験を行ってまいりました。光として、時間的ゆらぎを有する照明に着目し、定常光との比較でリラックス効果が高まる照明条件を心理的・生理的応答により求めたところ、適切なゆらぎ幅をもつ1/fゆらぎを有する照明で、リラックス効果に有効な副交感神経活動が高くなることがわかりました。また,リラックス効果と覚醒効果を持つ香りとして、それぞれスギとローズマリー精油に着目し、こちらも心理的・生理的応答を用いて効果を求めたところ、両者の有効性を示すことができました。それぞれ入眠時・覚醒時に寝室に香らせることで心地よい眠りと目覚めを与えることが期待できます。
ぐっすりコンソーシアムの「光」と「香り」研究の成果を社会発信できることとなりましたが,さらに研究成果を積み上げて,さまざまな睡眠課題の解決に向けた提案を引き続きできるように頑張ってまいります。