掲載日：2022.04.04

　4月に入り新年度が始まりました。新しく入学された皆さんはもちろん在学生の皆さんも、そして教職員の皆さんも、新しい年度を迎えてこの1年をこういう年にしたい、こういうことをやりたい、とワクワクしていることでしょう。

　さて、新型コロナウイルス感染症の流行が始まって2年になりますが、終息の見通しはたっていません。今年の年明けからの感染者急増の状態を‘第6波’と呼んでいますが、ピークに達した後に多少減少したものの、3月下旬からは高止まりの状況が続き、最近はむしろ漸増の状態にまでなっています。

　本学も年明け早々、昨年9月以来約4か月振りに感染者が発生したのを皮切りに、3月末まで計161名の感染者が出るに至りました。この感染者数は、昨年末までの総感染者数の実に4倍に当たります。この中には感染者集団（クラスター）の発生も含まれます。現在は落ち着いてはいますが、それでも引き続き感染者が出ている状況です。

　世界的にも同じような感染者の発生状況が続いています。このような中で、世界各国は既にウイズコロナ社会に向けて歩み始めていますが、日本もその段階に入ってきているとも言えます。

　既に告知されていますが、本学は、3月8日（火）に開催された「第50回 新型コロナウイルス感染症に係る総合対策本部会議」で、4月1日（金）以降、本学の基本的活動レベル（BCPレベル）を「1.5」に、教育の項目は「1」にすることを決めました。教育活動では、対面による授業を原則とし、効果が期待される場合は遠隔（オンライン）授業も可とするものです。

　教育活動のレベルを1に判断した根拠は、感染防止対策を施した講義室内での授業で感染した例が、本学においても他大学においてもほとんどないことが挙げられます。また、キャンパスに学生と教職員が集い、コミュニケーションを取りつつ対面での授業を行うことや、学生の皆さん同士が触れ合う機会が増えることが、学習面でも生活面でも、そして精神的な面でも望ましいという分析結果があるからです。上述のように、第1波から第5波にかけての感染者数を大きく上回る状況が現在続いていますが、このような判断をいたしました。

　新型コロナウイルス感染症の流行が継続する状況で、教育活動レベルを低く維持するためには、多数の感染者が一度に発生する事態を避けることがもっとも重要です。実際、本学でのこれまでのクラスター発生事例を分析しますと、多人数で長時間にわたり飲食したり、換気の悪い空間で長時間過ごしていたりしたことが原因と考えられます。家庭内の感染や少人数での会食等による感染は、ウイズコロナ社会においてやむを得ないとも言えますが、大勢が一度に感染したり濃厚接触者となって自宅待機や検査を受けたりする事態は、避けなければなりません。皆さん一人ひとりの行動にかかっています。

　新型コロナウイルス感染症の主な感染経路は、咳やくしゃみで発生する飛沫や細かい飛沫（エアロゾル）を介したものであり、発生当初から変わっていません。従って、マスクを外した会話・会食や、密集・密閉の環境が感染のリスクとなることも、変わっていません。人前でのマスクの常時着用、密集を避けること、換気を十分に行うこと、これらが感染対策の基本です。この機会に、改めてこの基本をしっかり押さえ、実行することを皆さんに要請します。

　最後に、現在主流となっている変異株のオミクロン株は、これまでの株と比べて強い感染力を持っていると考えられています。さらに、皆さんの多くが接種した2回のワクチン接種の効果は時間の経過とともに薄れてきていて、接種後6か月ほど経つとほぼ効果がなくなっていることも、感染が広がる原因になっています。本学では、5月中旬に各キャンパスで3回目のワクチン接種の機会を設けます。3回目のワクチンを接種すると、オミクロン株に感染する確率を60～70％程度下げることができますので、まだ接種していない学生・教職員の皆さんは、是非この機会を逃さないようにしてください。

2022年4月4日

新型コロナウイルス感染症対策本部副本部長　理事・副学長　花輪公雄
医学部附属病院　検査部長・感染制御部長　　　　　　　　　森兼啓太

【注】
大学全体ではレベル1.5ですが、米沢キャンパスは感染者が増加したことを背景に、4月1日から教育と関連する項目はレベル1にするものの、他の項目のレベルは下げずに2のままにしています。今後、レベルの変更もありますので、米沢キャンパスの学生、教職員の皆さまは、今後の通知やウェブサイトでの告知に注意してください。

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