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大学院進学セミナー「フランスで女性博士はどのように育成されるか」を開催(1/20)

掲載日:2016.01.25

 1月20日、小白川キャンパス理学部13番教室を会場に、フランスのグランゼコールの一つであるリヨン国立高等師範学校から、Christine Detrez(クリスティーヌ・デトレーズ)氏(社会学教授)を迎えて大学院進学セミナーを開催しました。

 これは女性研究者育成のため、文部科学省の補助金(文部科学省科学技術人材育成費補助事業 ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(連携型))を受けて山形大学・大日本印刷株式会社研究開発センター・山形県立米沢栄養大学の3機関で連携し、 フロンティア有機材料システム創成フレックス大学院と共催で実施したもので、学生と教職員17名が参加しました。

前半:講演
男女のジェンダーは、赤ん坊や子どもの時から作られます。昨年のクリスマス・プレゼントの広告を見てください。男の子用には組み立てるおもちゃを、女の子用には小さい子や動物を世話するおもちゃが売られています。
 フランスでは、大学進学率は男性よりも女性の方が高く、博士号取得者も女性の方が多いのですが、女性の専攻を見ると、理系では人や動植物のケアに関わる医学や生物学が多く、工学や電気・機械分野に進学する女性比率は約2割に留まっています。
 女性は妊娠・出産後も働き続ける人は多いですが、専門職にあまり就こうとしないという課題を抱えています。その改善のためには4つのポイントがあります。1.法律の整備、2.女性のロール・モデル、3.女性が自信を持つこと、4.組織改革(女性管理職増)です 。

後半:懇談会
 学生から、「女性は子どもが3人生まれるまでは、仕事を続けるのが当たり前ということだが、日本ではどうして難しいのか」という質問に対して、デトレー ズ氏から、「良き母であることと、良き働き手であることは両立できます。フランスでは男性が育児をすることも当たり前で、保育制度も整っていることから、 自分も3人の子どもを育てています」ということでした。
 参加者から、「フランスでも理系に進む女性が少ないことに驚いた。『ジェンダーは文化的、歴史的なものだから変えられる』の言葉が印象に残った」という感想がありました。
 大学院進学希望の学生とそれを応援する教職員が参加して、大学全体で「学びたい」という多様な人々を支援する体制の構築に向けたセミナーとなりました。

講演するデトレーズ氏の画像
講演するデトレーズ氏

会場の様子の画像
会場の様子

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