ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2021年08月 > 学長定例記者会見を開催しました(8/12) > 循環型農村経済圏の構築に向けてクラウドファンディングを開始 ~加工食品の原料生産に必要な穀物収穫用ハーベスタの導入にご支援を!~

循環型農村経済圏の構築に向けてクラウドファンディングを開始 ~加工食品の原料生産に必要な穀物収穫用ハーベスタの導入にご支援を!~

掲載日:2021.08.12

本件のポイント

  • 循環型農村経済圏(スマート・テロワール)の根幹となる加工食品の原料生産に不可欠な穀物を収穫するためのハーベスタを導入するため、クラウドファンディングをスタートさせます。期間は2021年8月18日(水)~10月12日(火)まで。目標金額は158万円です。
  • 山形大学では3回目、農学部では初めての挑戦で、特に対価性のある物(豚肉加工品)をリターンに設定したクラウドファンディングは、山形大学では初めての取組です!
  • 目標を達成できれば、安定して飼料用や加工用穀物が確保でき、スマート・テロワールプロジェクトの実証実験が加速化できます。

概要

 農学部では、2021年3月に終了した寄附講座「スマート・テロワール」形成講座の取組を加速化させて、庄内地域を循環型農村経済圏(スマート・テロワール)のモデル地域にするために、日本中央競馬会(JRA)畜産振興事業(課題名「地域産飼料資源のサプライチェーンの構築」)を活用し、2021年4月から3ヶ年の計画で実証実験を進めています。このプロジェクトでは、ソフト面での研究資金(4,871万円/3年)の他、穀物の収穫に用いるハーベスタ(普通型コンバイン(定価:934万円))の導入も採択されていますが、ハード事業は補助率が1/2のため、半分の資金(467万円)を大学で調達する必要があります。これまで、約7割程度の資金を確保しましたが、残りの160万円程度が不足しています。そこで、クラウドファンディングを活用して、普通型コンバインの導入経費の一部として活用します。また、今回のクラウドファンディングの目的は、山形大学が取組むスマート・テロワール構想を庄内地域や山形県だけでなく、全国に広く知っていただくことも、大きな目的の一つであることから、目標金額以上の支援が集まったかどうかに関わらずプロジェクトの実施を確約する「All In型」で取組みます。

詳しくはこちら(プレスリリース)をご覧ください。

背景

 2021年4月から庄内地域に循環型農村経済圏を構築するため、外部資金などを活用して「スマート・テロワール構築プロジェクト(略称:スマテロプロ)」に取組んでいます。特に持続可能な循環型農村経済圏を構築するための要となる畜産(豚肉生産)において、ウインナーソーセージなどの豚肉加工品を安定的に製造し、地域の消費者の皆さまに供給するためのボトルネックとなっているのが飼料用穀物(トウモロコシ子実)の安定的な確保です。このボトルネックを解消するためには、飼料用トウモロコシの子実を効率的に収穫するためのハーベスタ(普通型コンバイン)の導入が不可欠です。なお、本機は、飼料用トウモロコシだけでなく、スマート・テロワール構想の実現に必要なダイズやソバなどの加工用穀物の収穫にも活用できる汎用性の高いハーベスタです。

これまでの成果と課題

 2016年度から取組んできた「スマート・テロワール」形成講座では、メーカからデモ機を借用し、豚の主要なエサであるトウモロコシ子実を収穫し、それらの庄内産のエサで育てた豚肉を原料として、株式会社東北ハムと連携してウインナーソーセージなどの豚肉加工品を製造し、庄内地域の消費者の皆さまに提供してきました。現在、第2、第4日曜日の前々日の金曜日に、株式会社主婦の店鶴岡店と株式会社ト一屋の各1店舗に卸していますが、毎回、ほぼ完売しています(2020年度の販売実績:24,428パック)。さらに、豚肉加工品の供給量を増やしていくためには、飼料用トウモロコシの子実を効率的に収穫できる普通型コンバインの導入が不可欠です。

今後の展望

 新たな豚肉加工品の開発などにも着手し、“まるごと庄内産”の加工食品の製造と販売によって、庄内地域を循環型農村経済圏のモデル地域にすることを目指します。

用語解説

「スマート・テロワール」
カルビー株式会社元社長の故松尾雅彦氏が著書の中で提唱しているもので、英語のスマート(洗練された、賢い)にフランス語の「terre(テラ)」から派生したテロワールを組合せた造語。特にテロワールとは、土壌や気象を含めた総合的な生育環境のことで、独自の気候風土を共有する地域環境を表しています。スマート・テロワール構築プロジェクトでは、耕種農家と畜産農家の連携を図って農畜産物を生産し(耕畜連携)、さらに加工業者と連携して美味しい加工食品を製造し(農工一体)、地域内のスーパーマーケットなどの小売店と連携して販売(工商連携)・消費することで(地消地産)、全てを地域内で完結できる循環型の農村経済圏を構築することを目的としています。

  • シェア
  • 送る

プレスリリース一覧へ