ホーム > 新着情報:プレスリリース > 2025年07月 > 学長定例記者会見を開催しました(7/3) > 世界遺産ナスカの地上絵を未来に伝えるために ~山形大学と一般社団法人ナスカ地上絵協会が包括連携協定を締結~
掲載日:2025.07.03
山形大学におけるナスカの地上絵に関する研究は2004年に開始され、着実に成果をあげてきました。2015年にはペルー文化省とナスカの地上絵に関する学術協力と保護等を目的とする「特別協定書」を締結しました。2018年からAIを導入したことにより研究が加速し、ナスカの地上絵の全体像の把握は目前に迫っています。一方、現地は周辺の市街地と鉱山作業場の拡大に伴って地上絵の破壊が進んでいます。これまで発見された地上絵の保存と活用を推進するために地上絵の視認性を高める地上絵のクリーニングが急務です。
山形大学は2025年7月3日に一般社団法人ナスカ地上絵協会と包括連携協定を締結し、協働して保護活動を進めていくことになりました。その第一弾として近日中にクラウドファンディングの実施を予定しています。山形大学ナスカ研究所が明らかにしてきた研究成果と、世界文化遺産であるナスカの地上絵の意義を世界と未来に発信するために両者は連携して活動していきます。
詳しくはこちら(リリースペーパー)をご覧ください。
山形大学におけるナスカの地上絵研究は2004年に始まり、2012年には現地にナスカ研究所を開所、2015年はペルー文化省とナスカの地上絵に関する学術協力と保護等を目的とする「特別協定書」を締結しました。IBMコーポレーションとの共同研究により2018年からAIを導入したことによって研究が加速し、ナスカの地上絵の全体像の把握は目前に迫っています。一方、現地周辺の市街地と鉱山作業場の拡大に伴って地上絵の破壊が進んでいます。これまで発見された地上絵の保存と活用を進めるためには、人々が地上絵を認識できるようにするクリーニングが急務です。
これまで研究に関わってきた有志がペルーの世界文化遺産ナスカの地上絵の保護および研究に資する活動を行うことを目的として2024年10月に設立しました。英文ではNasca Geoglyphs Preservation and Research Association、英略称をNAPRA(ナプラ)と表記します。概要はホームページをご覧ください。
https://sites.google.com/view/nasca-napra/
▲NAPRAホームページ QRコード
地上絵が描かれている地域一帯には、黒い石が一面に広がっています。地上絵は、描きたい図柄に応じて地表の黒い石を取り除き、その下にある明るい地面(白い面)を露出させることで表現されます。しかし、この白い面に石や砂が入り込むと、図柄が見えにくくなってしまいます。白い面に入り込んだ石や砂を除去すれば視認性は回復可能ですが、それらが後から入り込んだものであるかを識別するのは困難です。そこで、現状を損なわずに地上絵の可視性を高める手法として、地上絵の上に薄い膜を張り、図柄に応じて白い砂を配置する方法を試みます。この方法により、地上絵の輪郭が際立ち、視認性の向上が期待されます。
▲地上絵に迫る危機:拡大する鉱山作業場
・2025年7~9月頃 クリーニング活動に関するクラウドファンディング開始 目標金額:200万円
・2025年11月~12月 ペルー・ナスカの現地にて地上絵のクリーニング活動を開始