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COC+事業

室長あいさつ

  • 山形大学COC+推進室長

三上 英司(みかみ えいじ)

地方活性化の必要性が叫ばれて久しくなります。少子高齢化現象に起因する諸課題は、中央よりは地方においてこそ、解決が急がれます。地域を支える人材の育成が、求められる所以です。地域に根ざす山形大学では、この課題に取り組むために平成25年から、COC事業の認定を受けて地域志向科目を増加し、地域志向の研究や社会貢献事業を推進することにより、学生の地域理解の増進に取り組んで参りました。

この成果を踏まえて平成27年度、COC+事業に採択されて県内の高等教育機関、自治体、企業、民間団体、NPO等と連携組織を構築し、若者の地元定着を推進する活動を進めることとなりました。そのためにまず「やまがた創生戦略協議会」を立ち上げ、県全体で解決すべき課題を明確にし、具体的な解決策を共有しました。そして山形大学では、以下の三点の改善に取り組んで参りました。まず一つ目は、地域志向型カリキュラムの試行における地域連携科目の必修化です。「フィールドプロジェクト」と名づけられたこの連携科目は、本学の初年次教育で実施して成果を上げている実践を、四年間の学び全体に広げる試みです。山形県内の各地域を学習活動の場として地域でしか学べない事柄を実体験し、地域の課題解決の具体策を立案・実践することにより、地域課題の解決能力を高めます。この授業からはすでに、企業や自治体と提携を結び、事業化が計画されている実践も生まれています。二つ目はインターンシップ等の学外研修の充実です。地域社会を支える優良企業について、学生は驚くほど知識がありません。COC+推進室のコーディネーターが地元企業の経営者や人事担当の方々と連携をとり、地元を支える企業でのインターンシップを積極的に展開し、地域で働くことの魅力を実感してもらっており、この経験をもとに地元企業に就職する学生も出ています。また三つ目としては、高大連携を通じた高校生に対するアプローチの確立があげられます。大学生の地域に対する意識の変容に、地域系科目の履修が有効であることは、現時点までのCOCならびにCOC+の事業を通じて検証されております。しかし現在、山形県内の高等教育機関への進学者に占める県内出身者の比率は、必ずしも高くはありません。そこで、県内で学ぶ高校生と大学生とが協働し、地域の課題解決に取り組む活動を、県教育委員会のご協力を得て推進室のコーディネーターがとりまとめ、村山・庄内・置賜各地区で実施しています。

これらの活動を通じ、若者が世代や立場を超え、地域社会の将来を力強く牽引していく意思と課題解決能力を培ってくれることを願います。このように、COC+事業に参画する大学・自治体・企業・NPO等は、連携してその基盤づくりを推進してきました。

平成29年度より、山形大学では地域教育文化学部が中心となって事業を進める体制になりました。本事業では、同じ目標を共有した諸機関が継続して事業に取り組まなければなりません。未来の山形県を背負って立つ人材の養成という共通の目標達成のために、総力を挙げて取り組みたいと存じます。

皆様のご理解とご助言、そしてご支援を賜りたく、心よりお願い申し上げます。

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