Concluding Remarks.


■編集後記
 山形大学の理念の一つである「自然と人間の共生」という言葉には,草木の命まで大切にいとおしむ,山形独自の「草木塔」の精神が込められています。
 草木塔とは,伐採した樹木などを供養する石碑で,自然の恵みに対する感謝や畏敬の念を表し,日本全国には100基近く確認されていますが,そのほとんどが山形県内に建立されており,江戸時代から平成の現在まで立てられています。

草木塔写真now printing! 草木塔の建立は,「為せば成る…」の言葉で有名な米沢藩中興の祖,上杉鷹山公の治世下から盛んになっています。鷹山公は,米沢藩の財政改革を行ったことで知られていますが,その基本となる考えは「質素倹約」であったと言われています。その質素倹約の考え方として,自然の恵みに感謝し慎ましく暮らしていくという藩内の意識改革を象徴しているのが「草木塔」なのではないでしょうか。

 現在,世界では地球規模で環境問題が複雑化し,今後の経済活動と地球環境への影響のバランスを考えた持続的発展の可能な社会への変化が求められています。
 山形大学では,「草木塔」の精神から発した「自然と人間の共生」という理念を掲げ,その教育・研究の総合力を持って,持続可能な社会の構築に貢献していくこととしています。

 このたび,山形大学の「自然と人間の共生」を具現化していくための取組を,環境報告書という形で,社会に向けて公表することとなりました。この環境報告書が,「草木塔」の精神が根付く山形から世界へ繋がる環境コミニュケーションの一助となることを願っています。

平成18年9月
報告書編集担当:山形大学EMS事務局


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