Pro-environmental behavior.

 山形大学では,「自然と人間の共生」を理念として大学運営を行っています。大学の使命・機能である「教育」「研究」「社会貢献」を行っていく上で,環境に配慮した視点からの意志決定を行っていくため,「山形大学環境宣言」を制定しました。
 環境に配慮した行動と言えば,とかく省エネ活動等の事業活動による直接的な環境負荷低減活動が主となりがちですが,山形大学では,大学の本務である「教育」「研究」「社会貢献」においての環境配慮を重要と捉え,地球環境を意識した
「環境マインド」を持った人材の育成地球環境の保全に資する研究の推進,そしてそれらの成果として,人材の輩出と研究成果の社会還元を通じて,持続的発展が可能な社会の構築を目指していきます。

■環境関連学部・学科等

 山形大学は,6学部を有する総合大学で,その全ての学部において環境問題や環境と人間・生命の関わり,エネルギー・資源関係等を学ぶことの出来る学科やコース等を設置しています。これらに所属した学生は,その教育・研究活動等を通じて,「環境マインド」を持った人材として卒業し,社会で幅広く活躍しています。

■人文学部
 人間文化学科 学科HP
 自然と人間の共生や人間どうしの共生をテーマとする「共生人間学コース」と歴史的・地域的に異なる文化的環境のありようやあるべき姿をテーマとする「文化環境学コース」の2つの教育コースがあります。
 社会文化システム研究科 研究科HP
 「社会文化システム研究科」では、社会や文化を一つのシステムとして総合的に把握し、社会が抱える今日的課題に積極的に取り組み解決できる創造的・実践的能力をもった人材の育成を目指しています。この趣旨のもと、学部卒の進学生や留学生はもとより、大学卒業後に実社会で活躍している地域の社会人にも門戸を広げています。
■地域教育文化学部
 生活総合学科 > 生活環境科学コース コースHP
 「住」と「自然環境」との共生を追求し,将来にわたって新たな課題に取り組むことのできる人材を育成します。
 環境教育専攻 旧学部(教育学部)HP
 我が国の学校における環境教育は、まだ日が浅く、リーダーとしての資質を備えた教員も少ないのが現状です。従って、今後の学校教育においては、環境教育に関する理論的・実践的な研究の能力をもった教員(指導者)が必要とされています
■理学部
 物理学科 学科HP
 現代物理学は自然観の基本に関わる疑問に対して解答を与えはじめています。21世紀になってもまだまだ物理学の発見は続きます。多くのみなさんが私たちといっしょに物理学を勉強し、科学の進歩に参加する喜びを味わうことをお勧めします。
 物質生命化学科 学科HP
 物質生命化学科は2つの大講座を設け、教育研究に当たっています。「 物質構造化学大講座」は、物質の合成、性質、反応機構、構造と機能、新素材の開発に重点を置いた教育研究を、「生命反応化学大講座」は、生命現象と、その自然界における役割の化学的解明に重点を置いた教育研究を行っています。 2つの大講座が協力し、講義、実験、演習などの基礎教育を実施し、卒業研究を通して化学的な方法論や考え方を養うことを目指しています。
 生物学科 学科HP
 生命や自然を視野に入れた生物学学的素養を基盤に,社会の各分野で創造的に活躍できる人材の育成を目指しています。
 地球環境学科 学科HP
 「地球科学」を核にし、さらに災害・循環・資源 など、人間や社会を意識した応用科学を加え、人類の生存環境としての地球の自然を考える「地球環境学」の教育を目指しています。
 理工学研究科(理学系) 研究科HP
 博士前期課程の数理科学、物理学、物質生命化学、生物学、地球環境学の理学系5専攻は、理学系のコアサイエンスを基盤に総合性や学際性のある高度な知識を教授することによって、広い視野に立って柔軟な発想のできる専門的職業人の養成を目指しています。
 博士後期課程の理学系の地球共生圏科学専攻は、専門領域のみならず学際・複合領域における、より高度で幅広い学術を修め、総合性に優れ適応力のある高度な職業人や研究者の養成に力を注いでいます。
■医学部
 医学科 > 環境病態統御学講座 > 環境病態医学分野
 「病気を予防する」という見地から,環境と疾病との関わりを勉強します。そのため講義の中で私たちが日常体験する身近な話題にふれることも少なくありません。また最新の外国雑誌の論文を精読し,それに関する発表・討論も行います。
 医学系研究科 > 生命環境医科学専攻 専攻紹介HP
 生命と環境の関わりを理解し、社会構造の変化に医療・行政・福祉の立場から柔軟に対応して、人の一生を包括的にサポートすることにより、健康で豊かな生活を可能にする戦略を探求するために設置されました。
■工学部
 物質化学工学科 学科HP
 地球環境と調和して発展する社会の構築を目指し,資源・エネルギー・環境・材料などに関する化学技術について教育・研究を行っています。
 機械システム工学科 学科HP
 技術が社会や自然に与える波及効果や社会に対して技術者が負う責任を認識させながら、国際的な視点から社会と産業の発展に貢献しうる技術者ならびに研究者の養成を目的としています。自然エネルギー利用についての研究も行っています。
 電気電子工学科 学科HP
 クリーンエネルギーの開発として,太陽電池の研究なども行われています。
 応用生命システム工学科 学科HP
 生命への理解を深め,工学技術を駆使して生命の持つすばらしい仕組みを解明し,それを応用して自然や生命活動と調和する高度なソフトウェアやシステム,デバイスなどを創り出す研究を行っています。
 機能高分子工学科 > 機能システム工学講座 城戸研究室
 消費電力が少ない等の特徴を持つ有機ELの研究を行っています。電力消費の少ない次世代型ディスプレイや照明器具等への利用が期待されています。
 理工学研究科(工学系) > 生体センシング機能工学専攻 専攻HP
 高度科学技術社会の進展に対応して、人と人工物、人工物と自然の調和を考え、生命体の状態を高い精度と信頼性をもって認識する必要があります。その活動を維持するための先端的なセンシング技術・生体環境の制御技術を展開し、我々の生命、生活の支援を行う高度な科学技術に関する学問が「生体センシング機能工学」です。
■農学部
 農学部 生物生産学科 学科HP
 農業と自然環境が調和しながら両立しうる効率的かつ持続可能な生物生産と農産物の公平な分配を、理論的かつ技術的に確立するための教育・研究を行っています。
 農学部 生物資源学科 学科HP
 微生物・動物・植物等の生物資源について、バイオテクノロジー等の先端的手法を駆使した開発と改良、さらにバイオマス等の有効利用に関する基礎及び応用の教育研究を行っています。
 農学部 生物環境学科 学科HP
 環境を構成する基本的要素である水・土・緑について科学的な分析を行い,これを基礎に総合的な資源管理のあり方と地域の環境保全について教育・研究を行っています
 農学研究科 研究科HP
 各専門分野や学際領域における研究の発展・深化、さらには多様化し複雑化した社会の要請に対応すベく、生物生産学専攻(農業生産学講座、生産生態制御学講座)、生物資源学専攻(生物機能調節学講座、生物資源利用化学講座)と生物環境学専攻(地域環境科学講座、森林環境資源学講座)の3専攻を有します。
 岩手大学大学院連合農学研究科 研究科HP
 山形大学・岩手大学・弘前大学・帯広畜産大学の連合によって設置されている博士課程のみの研究科で,北日本地域の自然的・社会経済的特性と構成大学の特色を生かした教育研究体制を整えています。

■環境シラバス2005(環境教育)

 環境関係科目の平成17(2005)年度開講科目です。平成17年度は,30の環境関連キーワードに分類して,延べ982科目を開講しました。上記の環境関連の学科等による専門科目以外に,教養教育科目においても多くの環境関係の科目を開講しました。
 「自然と人間の共生」を理念とする大学として特徴的なものとしては,直接,環境とは関連の無い科目についても,例えば外国語のテキストに環境問題を扱った内容のものを採用することや,体育の水泳の科目で,あえて自然水域を利用することにより,水環境への理解・知識を深めること等の「自然と人間の共生」を強く意識した
「環境マインド」を育むカリキュラムを編成しています。

(HP用の山形大学シラバス2005より抜粋編集)
キーワード別環境関連科目数:982科目(延べ数)
全体の科目数との割合:19.6%(686(実数)/3,508(全科目数))

平成17年度7大学大学院合同セミナー
「自然と人間の共生」
 7大学大学院合同セミナーを,スペースコラボレーションシステム(SCC)を利用して開催しました。7大学とは,茨城大学・群馬大学・電通大学・農工大学・山梨大学・宇都宮大学,そして山形大学です。平成17年度のテーマは「人間と自然との共生」です。身近なことから地球規模の問題まで,幅広い話題が専門の先生方によって取り上げられています。 山形大学からは,電気電子工学専攻の南谷靖史先生が「電気と暮らしと地球環境と保全」と題してフロンガス処理・水処理・リサイクル処理等について講義されました。

11月7日(月)
 「地球環境に配慮したプラスチックリサイクルの在り方」 宇都宮大学 助教授 木村 隆夫  
 「人類と原子力エネルギーを共生するために〜放射性廃棄物をどのように処分するのか〜」 茨城大学 助教授 小峯 秀雄  
「電気と暮らしと地球環境と保全」 山形大学 助教授 南谷 靖史  
 「地球環境と流れ」 電気通信大学 教授 宮嵜 武

11月14日(月)    
 「防災と環境の接点」 群馬大学 教授 小葉竹 重機  
 「農山村地域の共生持続型活性化」 東京農工大学 教授 千賀 裕太郎  
 「人間と自然環境に配慮した河川整備の変遷 −自然の認識と我々の生き方および近年における事例とその検討−」  山梨大学 教授 北村 眞一  
 「光触媒の原理と現状」 宇都宮大学 助教授 吉原 佐知雄  


■附属学校園の取組(環境教育)

 山形大学の附属学校・幼稚園では,山形の自然や環境に対する知識・考える力を育むための取り組みを行っています。

 附属幼稚園
(附属幼稚園HPより) 附属幼稚園HP

蔵王でのトレッキング
蔵王合宿・千歳山登山
 
附属幼稚園では,年長組の蔵王での合宿や幼稚園近郊に位置する千歳山での登山が行われています。山形の豊かな自然とふれ合うことで,動植物を大切にする心を育てています。

千歳山登山
>蔵王(ざおう):山形県と宮城県にまたがる蔵王連峰。冬のスキーと樹氷が世界的に有名。夏はトレッキングが盛ん。山形大学では蔵王山寮という施設を有しています。
>千歳山(ちとせやま):山形市中心部に位置する低山(標高471m)。古くから歌枕としても知られ、アカマツなど自然豊かで、憩いの場として市民に親しまれている。

 附属小学校
(附属小学校HPより) 附属小学校HP

河原でのゴミ拾い
■馬見ヶ崎川クリーン作戦
 附属小学校では,河原のゴミ拾いを行いました。自然環境を守っていくことの大切さを学んでいます。
>馬見ヶ崎川(まみがさきがわ):山形市内を流れる河川。河原には公園,グラウンド等が整備され,秋には,山形名物の芋煮会が盛んに行われる。
平成17年度の各クラスでの環境関係の取組
1・2年複組
3年1組
4年1組
4年3組
5年1組
5年2組
5年3組
6年1組


環境関連研究