ホーム > 研究 > 研究紹介動画・ポスター > 研究紹介動画2016 > ワーキングプアの削減について
現在、日本では貧困な世帯が増大しています。どのくらい増えているのでしょうか。1992年には385万世帯だった貧困世帯数は、2012年には986万世帯に急増しました。私は、なぜ日本でこのように貧困が広がっているのか、その原因解明と、貧困を解消するためにはどのようなことを行えばいいのかについて、研究しています。
特に、私はワーキングプア(働く貧困層)が増大していることが、貧困拡大の大きな要因であると考えて研究を行っています。ワーキングプアとは、働いているにもかかわらず、生活していくだけの最低限の収入を得ることができない人々のことです。具体的には、非正社員や、正社員であっても賃金が低い仕事(ブラック企業の仕事)に従事している人々のことです。
少し前までは、日本の雇用制度の特徴として、「終身雇用」や「年功賃金」が言われました。そうした雇用制度が機能していれば、ワーキングプアは生まれません。どうして「終身雇用」や「年功賃金」が保障されない労働者が増えてしまったのか。そこには、労働問題だけではなく、社会保障制度が日本では十分に整備されてこなかったことも関係しています。ワーキングプアを削減するために、労働組合の役割に私は注目しています。