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笑顔を守るために

教授 耳鼻咽喉・頭頸部外科学

欠畑 誠治(かけはた せいじ)

コミュニケーションに重要な「聴く」「話す」機能を守る

耳鼻咽喉・頭頸部外科が対象とするのは、首から上の目と歯と脳以外のすべてです。聴く、話すといったコミュニケーションで最も重要な能力を司り、嚥下にも関わることから、生活の質(QOL)に大きく関わる重要な診療科です。

内視鏡下耳科手術で世界をリード

耳の手術では、耳の後ろを大きく切開し、顕微鏡を使って病変を切除する手法が長年主流とされてきました。耳の穴は狭く、内部は骨に囲まれているため内視鏡での手術は難しいとされていたためですが、私たちは、イタリアやフランスの研究者と共同で、耳の穴から内視鏡と治療器具を入れて患部を取り除く「内視鏡下耳科手術」を開発しました。本学医学部附属病院で2011年に国内で初めて本格的に実施し、以来、年間100例もの実績を上げています。従来の手術に比べて、痛みが少なく、外に傷が残らないため回復が早く、入院期間も短縮されるので、患者さんの負担が大幅に軽減されるのです。この革新的な手術方法は、世界でも大きな注目を集めています。

山形大学オリジナルから世界のスタンダードへ

私たちは、この内視鏡下耳科手術を普及することで、より多くの患者さんに負担の少ない治療を受けてもらえるよう、毎年セミナーを開催しています。反響は年々大きく、日本国内からだけでなく、海外からの参加者も増え、世界的にも普及が進んでいます。

医療は未完成の科学です。私たちは、ひとりでも多くの方の笑顔を守るため、聴覚再生など未来の医療に向けて、さらなる研究を推進していきます。