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医学部

ヒト生体としての恒常性システムを消化器という視点で考える

教授 消化器病学

上野 義之(うえの よしゆき)

恒常性維持と「消化器」

生物には生命を維持するためのシステムがあり、その安定を保つ機能の一つに「恒常性」の維持があります。恒常性は、たとえば天気が良かろうと悪かろうと少々のことでは影響を受けないといったような仕組みです。
動物が生きていく上で重要な「食べる」という行動は、外部から栄養素を取り入れるシステムですが、究極的には人間は外から必要な栄養素を取らなければ生命を維持することはできません。「消化器」は「消化・吸収」という重要な働きを持ち、この点で恒常性に重要な働きをもっています。

消化器の様々な疾患

恒常性の仕組みが働かなくなると、さまざまな病気が起こります。たとえば、必要以上に細胞が無秩序に増殖していくことで「腫瘍」という疾患が、また細菌やウイルスの介入を適切に制御できないと「感染症」や「自己免疫性疾患」が起こります。感染症はヘリコバクター胃炎、細菌性大腸炎、ウイルス性肝炎などにつながり、慢性炎症の結果、難治性のがんを引き起こすものもあります。自己免疫性疾患は、消化器病では潰瘍性大腸炎や自己免疫性肝炎が代表的で、治療が困難な病気として厚生労働省の指定難病になっています。消化器内科学講座では、特にがんや消化器の難治性疾患について研究を進めています。今日の医学レベルでわからないことを少しでも解明し、明日以降の診療が変わるような臨床への展開を意識して研究を行っています。

研究の特色

肝再生医療や胆管ステントの研究を進めており、どちらもヒトへの応用に近いところまできています。また、ヒトの消化吸収システムに消化管内の細菌が大きな働きを持つことがわかってきていることから、腸内細菌叢の研究にも力を入れています。
研究室では若手研究者への支援も積極的に行っており、研究者の育成を通じ、世界に通じる良い研究を発信していきたいと考えています。