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山形の「記憶」を一堂に公開する「山形アーカイブ」が完成! ~山形市郷土館・最上義光歴史館など山形県内の資料保存機関も参加~

掲載日:2023.04.06

本件のポイント

  • 山形大学附属博物館が令和4年(2022年)に立ち上げたプロジェクト「地域の記憶「共創」アーカイブ〜まちと人の未来のために〜」の成果として、山形の「記憶」を一堂に公開するデジタルアーカイブ「山形アーカイブ」が完成しました。
  • 「山形アーカイブ」は、山形県内の資料保存機関が所蔵する資料のデジタルデータを横断的に閲覧することができる、山形大学初・山形県内初・全国の大学博物館初の試みです。サイト構築には、博物館と包括連携協定を締結した合同会社AMANEと、古地図ビューアライブラリ「Maplat」を開発した「Code for History」の協力を得ました。
  • 「山形アーカイブ」が充実すれば、歴史教育・生涯学習・まちづくり・観光・文化財保護・防災など、さまざまな地域の課題の解決に役立てていただくことができるようになります。

概要

 山形大学附属博物館は、令和4年(2022年)、山形大学基金の「やまがた未来へつなぐプロジェクト」として、⼭形市中⼼市街地の江⼾時代から現代までの変化を、現在の街並みの写真やオーラル・ヒストリー(⼈々の証⾔)、博物館が収集してきた資料などをデジタル化してインターネット上で共有し、山形大学の学生が地域に愛着を持つきっかけとなることや、まちづくりに取り組む⽅々に役⽴てていただくことなどを⽬的として、「地域の記憶「共創」アーカイブ〜まちと人の未来のために〜」を立ち上げました。今回はその成果の第一弾として、山形市内の資料保存機関が所蔵する山形地域の資料を一堂に閲覧できるデジタルアーカイブ「山形アーカイブ」を作成・公開しました。
 今回公開する「山形アーカイブ」は、山形大学附属博物館が所蔵・収集した地図15点・絵葉書627点・絵画56点・写真119点のほか、山形市郷土館が所蔵する地図・写真等215点、最上義光歴史館が所蔵する刀剣等20点の画像を掲載しています。山形県内の資料保存機関が所蔵する資料を横断的に閲覧することができる、山形大学初・山形県内初・全国の大学博物館初の試みです。また、山形大学附属博物館と包括的連携協定を締結した合同会社AMANE(https://amane-project.jp/)と、古地図ビューアライブラリ「Maplat」を開発した「Code for History」(https://code4history.dev/)の協力のもと、過去の地図と現在の地図を比較できる地図アプリも構築し、「山形アーカイブ」に登載しました。
 今後、七日町商店街(山形まちづくり株式会社)の協力のもと、山形大学の学生が組織する「まちの記憶を残し隊」の収集した街並みの写真や人々のインタビューも順次加えていく予定です。また、地図アプリも地図を充実させるとともに、地図上で過去の風景・建物などを確認できるようなものへとアップデートしていきます。「山形アーカイブ」のさらなる充実と関係機関との連携の強化、活用策の開発を進めることで、歴史教育・生涯学習・まちづくり・観光・文化財保護・防災など、さまざまな地域の課題に対応可能なデジタルアーカイブの構築を目指します。

 詳しくは、こちら(リリースペーパー)をご覧ください。

山形アーカイブ

■ URL : https://cherry.yum-archives.net/yamagata-archive/
■ 地図アプリ : https://cherry.yum-archives.net/maplat/

山形アーカイブの画像
山形アーカイブ

山形アーカイブ」で同時公開する地図アプリ(現在の地図と過去の地図を中央下部のスライダーで切り替え可能。現在地が青い丸で示されており、スマホなどで出先で気軽に現在地と過去の地図が比較できる)の画像
山形アーカイブ」で同時公開する地図アプリ(現在の地図と過去の地図を中央下部のスライダーで切り替え可能。現在地が青い丸で示されており、スマホなどで出先で気軽に現在地と過去の地図が比較できる)

背景

 山形大学の位置する山形市は、景気の低迷やコロナ禍などを背景に、店舗の閉店や再開発でまちの様子は刻一刻と変化しています。それゆえ、現状を座視していたのでは、景観や人々の思いなど、未来に残すべきかけがえのない地域の「記憶」は失われてしまいます。そこで令和4年(2022年)、山形大学附属博物館では、⼭形市中⼼市街地の江⼾時代から現代までの変化を、資料と写真、オーラル・ヒストリー(⼈々の証⾔)、博物館が収集してきた資料などをデジタル化してインターネット上で共有することで、⼭⼤⽣が地域に愛着を持つきっかけとなることや、まちづくりに取り組む⽅々に役⽴てることなどを⽬的として、「地域の記憶「共創」アーカイブ〜まちと人の未来のために〜」を立ち上げました。

※参考1:はじめます、未来のまちとひとのためアーカイブづくり ~附属博物館が地域のデジタルアーカイブ構築に着手。キックオフフォーラム開催~(2022年2月学長記者会見)
 https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/information/press/20220203_01/01-2/

※参考2:地域の記憶「共創」アーカイブをはじめます~第一弾は「三浦新七関連絵葉書アーカイブ」~(2022年5月学長記者会見)
 https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/information/press/20220512/03-21-2/

これまでの活動と成果

 「地域の記憶「共創」アーカイブ〜まちと人の未来のために〜」の具体的な活動としては、小幡圭祐(学術研究院准教授(人文社会科学部主担当))の担当する基盤共通教育科目「まちの記憶をアーカイブする」などの授業の履修学生や、小幡が主担当をつとめる人文社会科学部の学生有志を中心に「まちの記憶を残し隊」を組織し、まちの景観やそこに生きる人々の証言などの「記憶」を収集するとともに、七日町商店街(山形まちづくり株式会社)と協力してその成果を発信する「ななはく!」(https://cherry.yum-archives.net/nanahaku/)というイベントを年2回開催してきました。

※参考3:山形大学附属博物館が山形大生と地域の皆さんとともに集めた「まちの記憶」を一挙公開 「ななはく! まちの記憶市(いち)・ボローニャ市(いち)」開催します!(2022年9月学長記者会見)
 https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/information/press/20220908/01-2/

※参考4:「ななはく!2023 まちの記憶市(いち)・ボローニャ市(いち)ソーレ」開催!(2023年2月学長記者会見)
 https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/information/press/20230203/01-21-2-2/

  大学博物館が地域の「記憶」を恒常的に収集するという珍しい試みは、小幡と本多広樹(学術研究院准教授(人文社会科学部主担当))が実施したデジタルアーカイブ学会第7回研究大会での研究発表「地域アーカイブのレコード・マネジメント確立の試み:山形大学「まちの記憶を残し隊」の実践から」が座長によるベスト発表に選定されるなど、学界でも注目を集めています。

 ※参考5:地域アーカイブのレコード・マネジメント確立の試み:山形大学「まちの記憶を残し隊」の実践から    
 https://doi.org/10.24506/jsda.6.s3_s127

今後の展望

 今後、七日町商店街(山形まちづくり株式会社)の協力のもと、山形大学の学生が組織する「まちの記憶を残し隊」の収集した街並みの写真や人々のインタビューも順次加えていく予定です。また、地図アプリも地図上で過去の風景・建物などを確認できるようにアップデートしていきます。「山形アーカイブ」のさらなる充実と関係機関との連携の強化、活用策の開発を進めることで、歴史教育・生涯学習・まちづくり・観光・文化財保護・防災など、さまざまな社会課題に対応可能なデジタルアーカイブの構築を目指します。
 また、オープンサイエンスをテーマとした日本最大のカンファレンス「ジャパン・オープンサイエンス・サミット2023(Japan Open Science Summit 2023、JOSS2023)」(2023年 6月 19日(月)〜 23 日(金)オンライン形式 主催:国立情報学研究所 科学技術振興機構 他)において、セッション「born-digital地域資料の収集と継承を考えるセッション」を山形大学附属博物館と合同会社AMANEが共同で実施します。本セッションでは、市民が所有するスマホ内の写真デジタルデータなどをborn-digitalな地域資料(Born-Digital Regional Memory:BDRM)として定義し、それらの継続的な収集・保存・公開に関して様々な分野の専門家と議論を行います。

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