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山形で進める野生哺乳類の生態研究

掲載日:2022.11.11

准教授 斎藤 昌幸(景観生態学・野生動物学)

 みなさんは野生哺乳類のことをどれくらい知っているでしょうか?日本人にとってなじみ深いタヌキやノウサギでも、その生態をよく知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。私たちの研究室では、そんな哺乳類たちの生態を調べています。
 生態といってもいろいろですが、私たちの研究室では主に3つのテーマに取り組んでいます。1つ目は人間活動と野生哺乳類の関係です。農業、林業、都市開発、交通、レクリエーションといったさまざまな人間活動が、野生哺乳類の生態に対してどのような影響を与えるか調べています。2つ目は中型哺乳類の種間関係です。生態的に競合しあう動物たちはニッチを分割することが知られていますが、日本の中型哺乳類では研究がほとんどないため、どのような種間関係の仕組みがあるのか調べています。3つ目は野生哺乳類の食性や環境利用などを調べる基礎研究です。日本に生息する哺乳類について、哺乳類学者たちがこれまでに多くのことを明らかにしてきましたが、それでもまだ分かっていないことがたくさんあります。とくに、東北地方や多雪環境における哺乳類の生態については情報が不足しています。私たちの研究室では野生哺乳類の基礎生態を解明し、その情報を世の中に蓄積しています。
 このように、私たちの研究室では山形県の自然を利用し、さまざまな視点から野生哺乳類の生態研究に取り組んでいます。

みんなで上名川演習林を歩く様子の画像
みんなで上名川演習林を歩く様子

発信機を取り付けた動物を追跡している際の一コマの画像
発信機を取り付けた動物を追跡している際の一コマ

厳冬期に自動撮影カメラで撮影されたニホンテンの画像
厳冬期に自動撮影カメラで撮影されたニホンテン

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