ホーム > 研究 > 注目の研究 > 農学 > 営農型太陽光発電の可能性と課題

注目の研究農学

営農型太陽光発電の可能性と課題

掲載日:2023.05.11

准教授 桒原 良樹(地域環境工学、農村計画学)

 営農型太陽光発電をご存じでしょうか?

 ソーラーシェアリングとも呼ばれているもので、農業を行う農地の上部に太陽光発電設備を設置し、太陽光を農業生産と発電で共有する取り組みです。カーボンニュートラルや農業経営の改善への貢献が期待されています。しかし、その普及はまだまだ途上です。

 普及の課題として、太陽光発電設備の設置方法次第では、下部で生産する農作物の収量減少や作業性の低下などといった影響が生じることがあげられます。しかし、これらの影響は経験的・定性的に認識されている部分が大きく、その程度が正確に理解されていないため、対策の検討や農業経営面からの導入可否の判断が困難となり、普及の妨げとなっています。

 現在私たちの研究室では、上記の課題の把握に向けて、山形県内の複数の水稲農地における営農型太陽光発電にて、生育環境(気温や日射量など)と生育・収量の調査・分析を積み重ねています。これは、日本では水田の農地面積が広く、また水稲栽培は機械生産体制が確立していることから、水平展開のポテンシャルが非常に大きいと考えているためです。また、景観への影響や地域住民の受容態度といった社会的要因についても検討をしています。

 今後、他の穀物の営農型太陽光発電での栽培についても検討していくことで、わが国での食料自給問題・エネルギー問題の解決へ貢献していきたいと考えています。

  • シェア
  • 送る

注目の研究[農学]一覧へ