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注目の研究医歯薬学

長年の研究成果を山形から世界へ発信

掲載日:2016.09.02

 教授 一瀬白帝(分子病態学)

 21世紀の日本は、世界に先駆けて超高齢社会に突入し、加齢に伴う多くの病気にかかる患者さんが増えています。私達は四半世紀にわたり、血液が固まらなくて出血する病気(出血病)についての研究を続けており、2003年にそれまで異常な出血がなかった高齢者が突然複数の筋肉に出血したことから、血液凝固第XIII/13因子という止血に働く自分のタンパク質に対する抗体(免疫タンパク質)ができていることを突き止めました。

 2009年から全国調査を継続した結果、重篤な出血で患者さんが亡くなっていること、慢性化して治らない患者さんや見逃されている患者さんが多いことなどが分かり、2013年にはその治療に第XIII/13因子濃縮製剤を使うことを、初めて国に認めて頂きました。そして、2015年にはこの病気を国の指定難病に加えて頂き、公的医療費助成が受けられるようになりました。2016年7月に遂にこの出血病の国際診断基準を発表したので、世界中で早期診断と適確な治療ができるようになりつつあります。

 現在、他の出血病にも調査研究対象を拡げたり、何時でも何処でも誰でも早く診断ができるように新しい検査方法を開発しつつあり、国内だけではなく発展途上国の患者さんの救命にも貢献したいと願っております。

 

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