ホーム > 研究 > 注目の研究 > 医歯薬学 > 妊娠中のEPA/DHA摂取量と低出生体重児との関係
掲載日:2025.01.21
医学部 教授 藤田 愛(ライフサイエンス /生涯発達看護学)
妊婦の健康・栄養状態は、子どもが成人になってからの健康に影響を及ぼすことがわかっています(図1)。例えば、妊娠中の母親の栄養不足は2,500g未満の低出生体重児(LBW)の危険因子です。なかでも食事中のエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)不足はLBWリスクの上昇と関連することが報告されています。そこで、私たちは、The Japan Pregnancy Eating and Activity Cohort Study(J-PEACH Study)の一環として、妊娠中期(妊娠14~27週)におけるEPA/DHAの摂取量に注目し、食事だけでなくサプリメントの摂取量を加えてLBWとの関連を検討する前向きコホート研究を実施しました。
解析の結果、妊娠中期のEPA/DAH総摂取量が低い群ではLBW児の割合が高いことがわかりました(図2)。性別では、有意な傾向は認められませんでした。妊娠中期までには食習慣を改善し、EPAやDHAなどの必要な栄養素を摂取することがLBWの低下につながるといえます(図3)。
私たちは、これからも妊婦に対してエビデンスのある保健教育の創出を目指した研究を行っていく予定です。
▲図1.DOHaD学説:妊婦の健康・栄養状態が、その後の健康に影響を及ぼす
▲図2.504名を分析し、妊娠中期のEPA/DAH総摂取量が低い群ではLBW児の割合が高かった。
▲図3.臨床でのエビデンスのある保健教育へ