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掲載日:2020.12.25
教授 三井 哲夫(小児科学)
さまざまな病気の原因が解明され、その治療ができるようになりました。しかし、まだまだ原因不明の病気はあり、たとえ原因が特定され治療があっても、それだけではよくならない難治の患者さんがいます。
身体の設計図である遺伝子30億塩基対を、次世代シークエンサーと呼ばれる機器で、明らかにすることができるようになりました。小児疾患は、このもともとの設計図による影響が大きく、この遺伝子解析により病因や治療抵抗性の要因を明らかにできると考えられます。
私たちは、この原理を利用し、血小板機能異常症、中枢性低換気症候群、難治性ネフローゼ症候群、難治てんかんについて、それぞれの病因、難治の原因を追求しています。実際の蛋白のもとになる全エクソームを中心に配列決定を行い、患者さん特有の遺伝子を抽出します。候補となる遺伝子変化はいくつも出てきますので、これまで報告されている遺伝子変異の報告と比較検討、疾患臓器におけるその蛋白の発現、また細胞株への変異導入後の変化を解析することで、真の病因を特定していきます。病因や難治化の要因が特定できれば、より一層効果的な治療法を開発することに繋げられます。