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注目の研究医歯薬学

高齢化社会の認知症の原因を探る

掲載日:2023.06.01

医学部内科学第三講座神経学分野 教授 太田康之

 社会の高齢化に伴い、認知症は増加傾向であり、特にアルツハイマー型認知症が増加しています。高齢者が認知症を発症する理由として、加齢に伴い、アミロイドβやタウなどの蛋白が異常構造となり脳内に沈着し、ニューロン(神経細胞)死が起こり、認知に関連する大脳機能が低下するためだと考えられています。認知症の発症予防や早期治療が社会的に求められており、その観点から、加齢による運動機能低下の状態であるフレイルと認知症発症の関連が注目されています。我々は、フレイルの中でも特に歩行機能低下が、加齢による大脳機能低下を反映し、認知機能低下に関連することに着目しています。現在、他大学および企業との共同研究により、人工知能(AI)の機械学習の技術を利用した様々な歩行解析ツールを使用し、山形県の健常高齢者を対象として歩行機能を解析しています。さらに認知機能や脳画像、血液検体も解析することで、歩行機能と認知機能が関連する病態を調べており、高齢化社会における認知症の病態を明らかにし、その予防法と治療法を開発することを目指しています。

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