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注目の研究化学

機能性分子のナノ界面接合技術の確立により新エネルギー創出に挑む

掲載日:2016.06.30

准教授 金井塚勝彦(無機化学・ナノマイクロ科学)

 我々の研究室では機能性分子のナノ界面接合技術の確立に向けて研究を展開しています。機能性分子のナノ界面接合技術とは、分子や微粒子などの機能性化合物の配向や数をナノメートルスケールでコントロールしながら基板に固定する技術のことで、この技術が確立されると電極上で分子の向きを変えた際、電気の流れやすさや量を変化させることができ、時には流れる向きを逆転させることもできます。また、基板上に分子を集めると個々の性質とは違った集団としての新たな機能が発現することもあります(分子の界面濃縮による新規機能発現)。

 さらに、電子やイオン、プロトンを効率よく動かすには、それらの通り道を作る必要があり、この通り道を電極や基板上に精密に構築することができれば、太陽電池や燃料電池、熱電、圧電さらには人工光合成の性能が飛躍的に向上すると考えられています。

 電極や基板上に機能性分子を精密に構築するにあたり、大きな物質を切り崩しながら小さくしていく従来の方法(トップダウン)では加工に限界があるため、我々の研究室では、従来とは逆に、目的に合わせて分子や粒子を1つずつ連結していく方法(ボトムアップ)で必要な機能をもつ機能性材料・デバイスを開発しています。このようにナノメートルスケールで効率よく電子やイオン、プロトンが動ける界面をデザインし、構築していくことがこれまでのエネルギー変換材料・デバイスの課題解決に大きく貢献することになると信じています。

キーワード:「機能性材料」「界面」「分子配向」「ボトムアップ」

 

(1)金属ナノ微粒子と色素からなる複合ナノ界面の形成により、光電流発生効率が飛躍的に向上

(2)ナノスケールでの分子の濃縮・積み木・結晶化により高速イオン・プロトン輸送を実現

(3)化合物の界面固定により、従来よりも低いエネルギーで化学反応を実現

参考資料:⑴Appl. Phys. Lett. 101, 063103 (2012). 特許第5062765号, 特許第5062766号⑵特願2014-175506,特許第5544080号⑶特願2014-22577

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