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注目の研究化学

病気に関わるタンパク質を制御する

掲載日:2018.10.01

教授 今野博行(生物有機化学)

 疾患を分子レベルで詳細に解析していくと、その多くがタンパク質の異常であることがわかってきました。生体内ではたくさんのタンパク質が連動しながら機能します。よって鍵になるタンパク質を制御することが疾患の治療につながるわけです。私たちは有機化学的なアプローチとして、その鍵となるタンパク質を標的とした機能性分子の創製を行っています。

 その一つにアルツハイマー病の原因と考えられているアミロイドβ凝集体の制御分子の開発があります。アルツハイマー病は認知症の一種で未だ根本治療薬が開発されていません。私たちは治療には凝集体の崩壊を促す分子、診断には凝集体に結合し発光する分子が有効であると考え、分子設計と合成、評価を繰り返しながら最適な分子の発見を目指しています。一方で、分子設計や化学合成を効果的に行うためには新規性の高い分子構築法や評価法も重要です。私たちは薬剤候補になり得る天然物や機能性ペプチドの化学合成にも積極的に取り組んでいます。

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