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掲載日:2024.07.22
私たちは災害が繰り返される社会の中で生きています。災害による社会や人間の被害は、社会に潜在する脆弱性が不意の自然現象で露呈することで発生します。
これまでの学校教育は、防災教育として、発災時に命を守る行動ができる主体性の育成を目指してきました。しかし、次世代の社会を形成する学校教育は、それだけで十分と言えるでしょうか。私は、発災時に命を守る行動ができる主体性の育成はもとより、災害によって表出した地域課題と向き合い、社会や人間の在り方を問い直すことができる子どもの育成が不可欠だと考えています。
以上の問題意識をもとに、東日本大震災後に全町村避難を余儀なくされた福島県双葉郡の学校教育を調査対象にしています。災害によって地域に変化が生じる中で、教育委員会や学校は、いかに教育を復興していく必要があるのでしょうか。被災地公立学校が被災した地域と向き合いながら、新たなカリキュラムを生み出す条件を考え続けています。