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注目の研究複合領域

音の知覚と運動技能との関連

掲載日:2023.07.21

講師 三枝 巧(地域教育文化学部担当)

  スポーツ場面において、味方選手やボールの位置等の周囲の状況を正確に把握することは、パフォーマンスを発揮するために重要な要素の一つといえます。私はこれまでブラインドサッカーを中心に音の知覚と運動技能との関連について研究を行ってきました。その中で、ブラインドサッカー選手は、そのスポーツ経験を通して素早く正確に音の位置を把握していることや、ボールをトラップする際、頭部をボール方向に向けることでより正確にボールの位置を把握していること等が分かりました。

  近年、野球やサッカー選手は、特定の条件下において頭部の回転を用いてボールの軌道や周囲の状況を把握していることも報告されています。また、反響音をもとに晴眼者がアイマスクを付けて歩行する際、頭部を探索的に動かすことで、通路の形状を正確に把握できることも分かっており、日常場面で空間を把握する手段としても有効であることが伺えます。

 今後は、様々なスポーツ場面はもちろんのこと日常生活においても、頭部の回転が聴覚や視覚などの知覚と運動パフォーマンスとの関連にどのように影響するのか更なる発展が期待されます。

頭部回転と音源定位の正確性に関するイメージの画像
頭部回転と音源定位の正確性に関するイメージ

転がると音が鳴るブラインドサッカーボールの画像
転がると音が鳴るブラインドサッカーボール

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