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注目の研究工学

超音波による微細気泡生成技術に関する基礎および応用研究が展開されています

掲載日:2016.04.14

准教授 幕田寿典(流体工学・熱工学)

 100ミクロン(0.1mm)以下の微細気泡(マイクロバブル)は、良好な溶解特性を有するため、農業・水産業などを中心とした応用展開が進んでおり、近年では先進医療や化学プロセスへ適用も試みられています。その一方でこれまでの生成法には、大きさの均一性の確保や水以外の液体での気泡発生が難しいという課題が残されていました。
 これに対して幕田准教授(機械システム工学)は超音波の振動伝達体であるホーンの内部に気体供給流路を設け、液体中のホーン先端から気体を放出しながら超音波振動を同時に付与することで、液体中の気液界面を不安定化させ、10ミクロン(0.01mm)前後の気泡を大量に発生させることに成功しました。
 この技術は、現在一般的な微小気泡生成技術である高速噴流・高速旋回流を用いて気相を巻き込んで気泡を発生させる手法とは異なり、液体や気体の種類を問わずに高反応性ガスや溶融金属などにも微細な気泡を発生させることが可能であるため、下の図に示すシアノアクリレート蒸気を用いた中空カプセルの生成(下図右下)や、溶融金属相からの金属ナノ粒子の生成(下図左下)をはじめとして、新しい材料の創成やプロセスの効果・効率向上に貢献できると期待されています。

 

マイクロバブルの発生技術と応用例の画像
マイクロバブルの発生技術と応用例

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