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注目の研究工学

豪雪地帯の防災無線拡声音声の了解性向上

掲載日:2024.05.21

教授 近藤 和弘(工学部担当)

 防災行政無線は災害時の情報伝達手段です。災害時は避難勧告や避難誘導で用いられています。降雪時は音の伝達特性により拡声音声が聞こえにくくなります。近藤研究室では雪のどの性質が音声了解度に影響しているかを調査するため、可能性のあるパラメータとして、温度、湿度、積雪量、雪質、降雪量、風速を定量的に測定し、音声了解度との関係を調査しました。
・屋外で信号を録音してインパルス応答(音の伝わり方)を計測
・インパルス応答と評価用音声を畳み込み、降雪下の模擬音声を作製
・日本語単語了解度試験を用いて主観評価を行い、各パラメータと了解度の関係を評価
 この研究で温度、湿度、積雪量、雪質は音声了解度に大きく影響せず、降雪量の影響が支配的であることが分かりました。しかし、風速や風向が了解度に大きく影響すると考えられました。今後は風の影響もさらに正確に評価していきます。また、雪によって了解度が劣化する音声を補償する方法を検討し、降雪時でも聞き取りやすい防災無線システムの構築を目指します。

 この研究は多くの発表表彰を受賞し、複数の新聞記事、ならびに地方局TV番組で紹介されています。

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