ホーム > 研究 > 注目の研究 > 工学 > 産学連携により開発した次世代電池「半固体電池」の実用化に向けた取り組み
掲載日:2023.02.21
産学連携准教授 森下 正典(有機エレクトロニクスイノベーションセンター)
リチウムイオン電池は水系電池に比べて高いエネルギー密度を有する優れた電池であります。しかしながら、電解液には有機溶媒が使用されているため、外部からの衝撃や過度な充電により発火するリスクがあり、安全性の向上が重要な課題となっています。
山形大学次世代電池研究室、株式会社大阪ソーダ、株式会社BIHの3社は電解液の燃焼を抑制するゲル化 (半固体化)技術、さらにこのゲルを使用した「半固体電池」を開発しました。電解液をゲル化することで電池は発火しにくくなり、安全性が飛躍的に向上しました。この半固体電池は電池メーカーの協力を得て既存の量産設備で電池化できる目途がつき、新たな設備を必要とせず製造コストを抑えられる点も実用化に向けた強みになります。まずは小型デバイスへの搭載を目指して、半固体電池の実用化に向けた開発を進めています。